メルマガ担当者にとって、作業の効率化は大きな課題です。
しかし、作業の効率化は簡単ではありません。
だからといって、作業の効率化が不可能というわけではありません。
むしろ、積極的に取り入れることで、効率化だけでなく、精度も高められる方法があるのです。
それが、ステップメールの導入です。
今回は、作業の効率化と精度を高めていけるステップメールについてご紹介します。
監修者
メール配信システムエンジニア
平野 邦美
エンジニア歴15年。2010年にメール配信システム導入を支援したことをきっかけにメール配信に興味をもち、2015年からメール配信会社のメンバーとして参画。カスタマーサポート、顧客管理、決済システム導入、マーケティング、セキュリティ対策等に従事するメール配信システムの専門家。
ステップメールとはスケジュール通りに自動配信する機能
ステップメールを一言で説明すると、自動メール配信システムとなります。
また、読者のアクションに応じて、送るメルマガを分岐できる機能を搭載しているケースもあります。
たとえば、通常であれば2通目はAというメルマガを送信する予定でも、読者がメルマガ内のリンクをクリックしたら、より詳しく商品を紹介しているBというメルマガを送信することが可能です。
これによって、効率よくメルマガを配信できるだけでなく、読者のニーズに合わせた情報発信が可能になります。
メルマガとステップメールの違いは「目的」
もう少し具体的にイメージを掴めるように、メルマガとステップメールの違いをご紹介します。
一方、ステップメールは目的に合わせたメールを複数回に分けて届けていくので、届けたい情報を順序だてて伝えることが可能です。
また、ユーザーの思考を予想したシナリオを作成できれば、顧客が求めている情報を適切なタイミングで配信できます。
このメリットは決して小さくありません。
そして、ステップメールの大きな目的はここにあるのです。
伝えたい情報を理想の順番で伝えていくことで、読者へ効率よくアプローチすることが可能になります。
ステップメールを使うメリット
ここからは、ステップメールを使うメリットをご紹介します。
ステップメールを使う大きなメリットには次のものが存在します。
- 自動化できる
- 見込み客の育成
- 購買意欲を高める
- 状態に合わせた配信
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
自動化ができる
ステップメールの大きなメリットは、自動化できる点にあります。
通常のメルマガだと、配信のたびにメルマガを作成する必要があります。
しかし、ステップメールの場合、最初にシナリオを作成して、配信タイミングや順番を設定すれば、自動配信が可能です。
これは、メルマガ担当者にとって非常に助かります。
なぜなら、担当者はメルマガを作るだけでなく、集計や分析、改善などの作業も必要になるからです。
自動化することで、手に入れた時間を使い、より精度を高めていける環境を作れるのは、大きなメリットです。
見込み顧客を育成できる
見込み顧客を育成できるのもメリットの1つです。
ステップメールは、読者のアクションに応じて、送るメルマガを選択できます。
これを、シナリオの分岐と呼びます。
BtoBの場合、顧客の購買プロセスは長い傾向にあります。
上司を説得しなければいけないケースもあるでしょう。
このような時に、上司を説得するために役立つ情報やノウハウ、導入事例を配信することで、読者は具体的な行動プランを描くことが可能になります。
役立つ情報を、適切なタイミングで配信していくことで、結果的に自社を選んでもらいやすい環境を構築できるのです。
顧客の購買意欲が上がる
メルマガ1通で伝えられる情報は、実はそれほど多くありません。
なぜなら、情報を詰め込み過ぎると、読者が最後まで読まない可能性が高まるからです。
その点、ステップメールは複数回に分けての配信が前提になるので、すべての情報を詰め込む必要はありません。
これも、大きなメリットです。
どのような順番で伝えていくのかによって、受け手の印象は大きく変わります。
商品紹介から始まり、使用例、導入メリットやデメリットを上手に伝えていくことで、自社商品やブランドの認知度を高めていくことも可能です。
登録者が増えれば増えるほど、認知度は向上し、顧客の購買モチベーションを高めることに繋がります。
読者の状態に合わせたメールが送信できる
読者にとって、一番望ましい状態は、その時に一番欲しい情報を受け取れることにあります。
そして、この状態を作ることができれば、商品の売上に繋げることも可能です。
難しく感じるかもしれませんが、顧客視点を意識することで、ある程度は予想できます。
シナリオ分岐を作成するとき、読者が起こしたアクションの裏にある思考を考えていけば、次にどのような情報が欲しいのかが予想できるはずです。
読者の思考を予測しながら、納得できるシナリオ作成を心がけましょう。
ステップメールを使うデメリット
ここからは、ステップメールを使うデメリットをご紹介します。
ステップメールを使うデメリットには以下のものがあります。
- シナリオ作成に時間がかかる
- リストの作成
- 意識すべきことが多い
- 通常メルマガとの共存方法を考える必要がある
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
シナリオ作成に時間がかかる
ステップメールの大きなデメリットは準備が大変だという点です。
中でも、シナリオ作成には特に時間がかかります。
ユーザーを目指すべきゴールに誘導できるように、事前に地図を描く必要があるので、決めなければいけないことも多く存在します。
ただし、ここをクリアできれば、後は自動化できるのも大きな魅力です。
ユーザーの行動や思考を意識しながら、分かりやすい地図の作成を心がけましょう。
顧客リスト作成に費用がかかる
ステップメールの精度を高めるために必要なことが、顧客リストの作成です。
なぜなら、ユーザーをセグメント別に分類することで、より効果が高いシナリオ作成が可能になるからです。
当然ですが、年代や、属性によって考え方や求めることには違いがでてきます。
これを防ぐためにも、顧客リストの存在は欠かせません。
そこで、まずは顧客リストを作成する必要があるのですが、外注すると費用が発生します。
社内で対応することも可能ですが、その分、時間と労力が必要になるので、費用対効果を意識しながら検討しましょう。
精度を高めるためには、ある程度の費用がかかることも事実です。
時節に関係なく違和感のないメールを作成する必要がある
メールの挨拶文として、時節の挨拶文を盛り込む方は少なくありません。
実際、最初のつかみとしても共感は非常に大切になるので、共有している状況の挨拶から始まるメールは珍しくないでしょう。
また、書く内容がある程度決まっているので、文章の書き出しに困らないというメリットもあります。
しかし、ステップメールの場合、読者がいつ受け取るのかは分かりません。
そのため、いつ読んでも違和感なく読めるメールでなければいけないのです。
つまり、書けない内容もあるということを意識しておく必要があるのです。
この点をデメリットだと感じている方も少なくありません。
通常のメルマガ配信とステップメールを分けるのに手間がかかる
通常のメルマガ配信とステップメールを分けるのに手間がかかるのもデメリットの1つです。
中には、ステップメールを送っているユーザーに通常のメルマガも送ればいいと考えられる方もいらっしゃいます。
しかし、これではステップメールの大きなメリットである、伝えたい情報を順序だてて伝えることが難しくなります。
なぜなら、メールに連続性がなくなるからです。
単発のメルマガなのか、連続性があるステップメールなのかを、読者はいちいち意識してくれません。
そのため、情報が多くなり過ぎ混乱してしまう可能性が高まるのです。
この状態を防ぐためにも、ステップメールを配信している間は、基本的には余計なメルマガを送らないようにしましょう。
ステップメールを使ったマーケティング戦略
ステップメールの魅力は、メルマガ運用の効率化にあります。
同時に、精度を高められるという魅力も存在します。
実際、ステップメールを利用することで、使えるマーケティング戦略は少なくありません。
ここからはステップメールを使ったマーケティング戦略について解説していきます。
ウェルカムシーケンスで教育し販売する
見込み顧客に、より自社を理解してもらうために送る一連のメールをウェルカムシーケンスと呼びます。
そして、この2つがあれば見込み顧客の教育は可能です。
定期的に届けられるステップメールを通じて、ユーザーが商品を購入しやすい環境を構築していきましょう。
クロスセルで関連商品を購入してもらう
ステップメールには、シナリオ分岐できるという大きなメリットがあります。
これは、ユーザーに行動を促す時に大きな武器となります。
関連商品とセットで購入すれば、割引特典が受けられるという情報を発信するのもいいでしょう。
このように、シナリオ分岐を利用して、関連商品の購入(クロスセル)を促すことも可能です。
アップセルで上位商品を購入してもらう
購入後の顧客に対して送るステップメールを用意しておけば、購入後の営業も継続可能になります。
アップセルとは、さらに上位の商品を購入してもらうことで、顧客単価の向上を目指すマーケティング手法です。
これは、購入した商品やサービスに対して、満足度が高ければ高いほど期待できます。
そのため、購入後の顧客に対してステップメールを準備しておくのも効果的です。
ステップメールの作成方法
ステップメールを作成するには、いくつかの工程が必要になります。
まず最も大切になるのが、目的の明確化です。
目的を明確にできていなければ、行動を促すシナリオを作成することはできません。
また、ターゲットを決めることも大切です。
なぜなら、ターゲットを明確にできていない場合、結局は誰にも響かないものとなってしまう可能性があるからです。
他にも、カスタマージャーニーマップの作成、シナリオ作成、本文のライティング、配信設定に配信テストなど、様々な準備が必要になります。
更に、精度を高めていくための効果測定と分析、改善も必要です。
ここまで読むと、大変な作業だと感じられるかもしれません。
しかし、効率化を目指しながら精度を高めていけるので、トライする価値はあるはずです。
より詳しい内容や具体的な作り方を知りたい方は、以下のページにて詳しく解説しているので、ご一読ください。
>>ステップメールの作り方ロードマップ!成功事例や配信のコツも徹底解説
ステップメールのシナリオ・例文
ステップメールで重要となるのがシナリオです。
シナリオ次第で、結果が大きく変わるといっても大袈裟ではありません。
では、どのようなシナリオを書いていけばいいのでしょう?
ここでのポイントがテンプレートを活用したシナリオ作成です。
何事もそうですが、ゼロから考えるのは大変な労力と時間がかかります。
しかも、何が正解なのかは分からないので、せっかく作っても失敗で終わるというリスクもあります。
そこで、大切になるのが過去に成功しているパターンから学ぶことです。
実は、ステップメールのシナリオ作成にはテンプレートを用いることができます。
テンプレートを活用することで、最初から大きな失敗を防げる可能性が高まるだけでなく、労力と時間を大きく節約できます。
こちらの記事で、詳しく解説しているので、テンプレートの活用方法を理解して役立ててください。
>>【テンプレート付き】ステップメールのシナリオの例文・書き方のコツ
ステップメール機能のあるおすすめのメール配信システム
ステップメールを利用する時に欠かせないのが、配信システムです。
しかし、少し調べただけでも、多くのメール配信システムが存在しているので、どこを使えばいいのか悩まれる方も少なくないでしょう。
ここでのポイントは自社の状況に合わせた配信システムを利用する点です。
自社の状況には、規模や登録人数、配信量、想定しているシナリオ数や予算などが関係します。
これらを総合的に判断して、配信システムを選ぶ必要があるのです。
詳しくは、下記のページで解説しておりますので、どこの配信システムを利用するのかを悩まれた場合には参考にしてください。
>>【専門家監修】ステップメールが使えるおすすめの配信システム8選
ステップメールについてのよくある質問
ここまで読まれた方の中には、実際にステップメールの導入を検討し始めた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、中には少なからず疑問が残っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、最後にステップメールの導入を検討している方から多く寄せられる質問と、それに対する回答をご紹介します。
Gmailでステップメールは配信できる?
Q.無料で試してみたいのですがGmailでもステップメールは配信できますか?
A.現状、Gmailにはステップメールを配信できる機能はありません。
ただし、メーリングリストを利用すればメルマガの一斉送信は可能です。
予め配信したいグループを作成して、全員に同じメールを配信することで、似たような状況は作れますが、アカウントをバンされる可能性もあるので、現状では、あまりおすすめできる方法ではありません。
ステップメールとLINEのステップ配信の違いは?
Q.LINEのステップ配信との違いはどこにありますか?
A.大きな違いは到達率、開封率、クリック率にあります。
また、アカウントが消されるリスクやメールアドレスのリストが取れるかどうかという点でも違いがあります。
それぞれに強みや特徴があるので、状況に応じて使い分けるのがいいでしょう。
リソース確保できるなら、両方を組み合わせるのがベストです。
詳しくは、こちらのページにて解説しておりますので、参考にしてください。
>>ステップメールとLINE公式アカウントのステップ配信の違いは?
無料でできるステップメールはある?
Q.無料でステップメールを利用する方法はありますか?
A.あります。
機能に制限があるものもありますが、以下の配信システムを使うことで無料でステップメールを利用できます。
- める配くん
- BENCHMARK
- オレンジメール
- ワンステップメール
ステップメールを活用して戦略的に売上アップを図ろう
ステップメールを活用することで、メルマガ運用を効率化できるだけでなく、戦略的に売上アップを目指すことが可能です。
シナリオ分岐によって、読者に届けたい情報を届けたいタイミングで伝えることが可能となり、効率的な営業が可能になるからです。
オレンジメールだと、30日間の無料体験を実施しているので気軽に試すことができます。
30日間あれば、様々な機能を試すことができるのでおすすめです。
まずは、無料体験を通じて、メルマガ運用の効率化と売上アップを目指せる環境をご確認ください。