メールを使ってビジネスを展開するなら、一斉送信するメルマガだけでなく、ユーザーに合わせて情報を配信するメールマーケティング戦略を導入してみてください。ビジネスの幅が圧倒的に広くなります。
ただ、メールマーケティングという言葉は知っていても、具体的に何をどうすればいいか分からないという方もいるかもしれません。
メールマーケティングのやり方を知れば、あなたもメルマガを使って顧客のニーズ掘り起こし、より売上に直結できるようになります。
この記事を参考に、メールマーケティング実践までの7ステップを進めてみてください。
メールマーケティングとは
メールマーケティングとは、単にメルマガを配信するだけではありません。
具体的には、売上UPの鍵となる顧客ニーズをメール配信を通じて把握したり、新しい商品の売上予測を掴むため商品情報を読者にメール配信し反応を得ることなどを行い、それを営業活動につなげていくことを指します。
ビジネスでは、売上UPという目標を達成するためには顧客の関心を引き寄せ、顧客のニーズの掘り起こしをすることが必須ですよね。
ただ莫大な予算が必要なため、小さな会社や個人にはこういった資金をかけたリサーチ法はなかなかできるものではありません。
それがメールマーケティングでは、低コストなメルマガを利用しますので、難しい技術や多くの予算がなくても顧客からの情報を得ることができます。
そして大規模なアンケートを行わずとも、メールから得た情報をもとに、的確に顧客・読者の関心を引くことができる商品・サービスを作ることができるようになります。
相手の興味に合わせて適切なメールを送る
メールマーケティングをうまく活用すれば、興味を持っている層に適切なアプローチを実践し、今まで取りこぼしていた関心を収益につなげることができます。
例えば、もともと特定の商品に興味を持っている顧客・読者は潜在的に特定の悩みを抱えているかもしれませんよね。
そのニーズが捉えられれば、売れる可能性の高いこの読者層にアプローチすれば高い売上効果が見込めます。
マーケティングを意識することでリピート客が見込める
マーケティングを意識したメルマガ運営ができれば、単純に商品を紹介するだけでなく、次の商品の購入を促したり、セミナーやイベントに参加してもらうなど、読者に行動を促すことにも活用できます。
また売るという行為だけでなく顧客・読者の関心に合致した“有益だ”と思えるメールも配信していくようにすれば、読者とあなた(企業)との間に信頼関係を構築できます。
要は、純粋な企業ファンを増すことができるので、安定した売上アップ・全体の売上アップの底上げにつながるでしょう。
メールマーケティングと一般的なメルマガの違い
ここまでメールマーケティングについて説明してきましたが、やっぱりメールマーケティングって結局メルマガじゃないの?と思うかもしれません。
確かに物理的なメール送信の仕組みはほとんど同じですし、メルマガとメールマーケティングでは使うシステムも同じことが多いです。
意識の違いがメインですが、違いとしてわかりやすい例を上げると、単純に自分の読者リストに一律の情報を送り続けるのか、相手のニーズ・状態に合わせてメールを送り分けるか、が普通のメルマガとの異なる点です。
もしあなたが今メルマガを運営していて、相手のニーズを踏まえて最適な情報を送るように意識したり、相手の反応に合わせて自分のやり方を最適化する取り組みをしているなら立派なメールマーケティングをしていることになります。
通常のメルマガもメールマーケティングの考えで反応UPできる
メールマーケティングの考えを取り入れることができれば、今現在反応があまり取れないメルマガであっても、読者ひとりひとりに最適化したメールを送ることで、反応率がUPすることがあります。
興味を引く内容を的確に送ることができるため、メルマガ自体が読まれやすくなり、商品やサービスに関心を持っている見込み客の購入意欲を高めることができます。
ただしメールマーケティングを成功させるためには、継続して運用していくことが大切になります。
最初のアプローチに始まって、商品購入などの売上につなげ、アフターフォローまで長期にわたっての運用が必要です。
設定した目標から逆算して効果的にメルマガを運用していくには、戦略が必要です。
運営にはやや手間がかかりますが、従来よりも顧客に合わせた細やかなアプローチができます。
メールマーケティングで出来ること(メリット)
メールマーケティングでできることについてお話ししていきます。
すでにメルマガを運営しているのであれば、自分のメルマガとの違いを意識して読んでみると違いに気づくかもしれません。
1.顧客・読者の属性に合わせたメルマガの配信
メールマーケティングでは、顧客・読者の属性ごとにマッチしたメールを配信することが肝心です。
ここでいう“属性”とは、顧客の年齢や性別、住所や職業、趣味などを指します。
読者は持っている“属性”によって興味、関心のあるサービスや商品が異なってきます。
こんなふうに自分の興味ある情報について適切なタイミングでメールが来るようにできれば、メルマガの成約率UPが期待できます。
登録時に読者のデータももらえるようにする
メールマーケティングを実践するためには読者リストの方々の属性・おおよその顧客像を把握することが大切になってきます。
すでに登録時に年齢・性別・購入した内容等のデータがあればそこから推測することもできます。それがなくても、自分が配信した情報のどこに反応が集まりやすいかを見るだけでも、読者像を想像しやすくなります。
この読者像が特定でき、どのユーザーが誰なのか(どのメールアドレスなのか)をある程度特定できれば、大勢の顧客に同じ内容を一斉に送信するのではなく、より個人の好みや要求にマッチした内容のメールを送れますよね。
こういう細かい施策をどんどんやっていくことで成約率・売上の改善ができることがメールマーケティングのメリットのひとつです。
不自然に情報を収集する必要はないですが、最初のメールアドレス登録の段階で顧客から多くの情報を得ることが可能なのであれば、より属性にマッチした情報を配信しやすくなりますので検討してみてください。
2.顧客・読者の行動に合わせたメールの自動配信
属性とは別に、読者の行動に合わせてメールを配信する方法もメールマーケティングではよく行われます。
例えばステップメールと呼ばれる“事前に準備していたメールを、登録しているタイミングや回数に合わせて送ることができる機能”を使い、読者にとって最適なタイミングでメルマガを送っていきます。
- メルマガ登録直後の読者には一定の案内・レクチャーメールを送るようにする
- 商品を購入してくれた方には、購入のお礼、商品発送のお知らせなどを送信
- 相手の状態に合わせた自然なフォローメールを送信
- 相手の状況・反応に合わせてレビューの依頼をする
- 購入内容に合わせて関連商品のお知らせする
- 商品が終わるタイミングでリピート購入の案内をする
など段階を踏んでメールを配信していきます。
読者の状態(あなたのことをまだあまり知らない状態)に合わせたメールをマメに送ることができれば、読者にとってもためになる内容がメールで送られてくるので、読者と信頼関係の構築に繋がりますよね。
いずれも顧客の行動のタイミングに合わせてメールを配信するため、必要なタイミングで適切な内容が届くことになりますので、顧客満足度UP・次回セールスへの誘導・長期に渡るリピートなど全体の売上UPにつなげることができます。
3.通常のメルマガと同じシステムで運用でき低コストで実践出来る
メールマーケティングの利点は、通常のメルマガ配信システムでも十分運用できるという点です。
それ故、月々数千円程度のランニングコストでも十分にメールマーケティングが実践できますので、月々の固定費を極力抑えたビジネス運営ができ、浮いたお金は別の部分の投資に使うことができます。
とはいえ、運用のためのランニングコストも安いため、経費を気にせずじっくりと取り組む事ができ、中小企業や個人事業主でも気軽に導入することができます。
メールの作成や配信のタイミングの検証も大切
メールマーケティングを実施するには、メールの作成や配信、効果を検証するための分析が欠かせません。
そのためメールを配信したあとは具体的に
- メールが読者に到達しているか
- メールが開封されて読まれているか
- メール内のリンクがクリックされているか
- 商品購入などの売上アップにつながっているか
といった項目をチェックします。
そしてそのPDCAを繰り返すことで、メルマガが目標達成につながっているかどうか、分析・改善していく事が必要です。
分析は人の手が必要ですが、データ収集に関してはメルマガ配信サービスなどを使えば開封率やクリック率などのデータを自動で収集してくれることも多いので、自動化できる部分はツールを活用ましょう。
1ヶ月程度運用し、ある程度データが溜まったら、内容を分析してボトルネックを1つずつ改善し、より柔軟で細やかな顧客へのアプローチを行い、リピート購入してくれるような信頼関係の構築につなげていきます。
メールマーケティングが解決できる問題
先程はメールマーケティングでできる実務的な話をしましたが、それがビジネス全体にどの様にプラスになっているのか、利益(ベネフィット)を3つご紹介します。
1.少ない人材リソースでも多くの顧客・読者に濃いアプローチが可能
メールマーケティングをする際、ステップメールを活用することで効率的な運用ができます。
ステップメールとは、一定の条件をクリアした読者に予め設定しておいたメールを自動配信してくれるシステムです。
つまり、あなたが何もしなくてもメールが自動で配信され、一通りの説明は自動で配信されます。
故に、人員不足・作業時間の削減をしたいなら必ず導入すべきシステムです。
また自動返信にすることで、下記のようなメリットもあります。
- 作業人員・時間を削減でき経費のコストダウン
- 自動で相手にマメなフォローメールが来る
- ストーリーを踏まえたメールの配信が可能なため、顧客の自動育成ができる
ステップメールを使ってメールを自動配信することで、あなたがこれまで手動で対応してきた内容を自動で行うことができます。
- 見込み顧客や既存顧客の教育・育成
- 会社の概要や商品・サービスについての説明
- 使い方などを濃いフォローアップをして信頼関係を得る
またステップメールでは資料請求やメールアドレス登録など特定のアクションを起こしたユーザーごとに送信内容を変えることができますし、メールの配信頻度も自在に変えられるので相手に合わせたフォローアップが可能です。
そのため、少ない人員ですべての顧客に同質の濃いフォローアップを行う事が可能になり、ユーザーが安心して商品購入やサービスを受けるためのサポートが実現できるようになります。
2.頻繁な追客メールを自動送信できる
自動送信を使って頻繁にメールが送信できることで、あなたが忙しい時も自動でメールを送られるようになります。
そのため、ある程度までは自動配信されるメールを活用して顧客と信頼関係を築き、一定のレベルまで行ったら直接のメールコンタクトに自然に切り替える等することで少ない人員リソースでも丁寧な対応をすることができます。
- 追客(フォロー)メールでセールス案内を代行
- リピート購入を目指すメールを自動送信する
- また購入後、顧客が購入した製品やサービスの活用方法を送る
など、適切なタイミングで有益になる情報を自動メールすることで仕事効率・顧客満足度の両方を同時にあげることが可能になります。
また、ステップメールでは送信のタイミングも設定できるため、例えば商品を使い終わりそうなタイミングでメールをするように設定しておくと、自然に追加購入してもらうことができ自動で収益化ができます。
3.潜在顧客・ニーズの発掘がしやすい
ステップメールなどを使いながら顧客へのサービス向上をしていくことで、商品・サービスの印象付けになるだけでなく、企業と顧客の信頼関係構築もでき、成約率UPが期待できます。
自動配信のメールだっても頻繁にメールでコンタクトを取っているため、自動配信メールの中で見込み顧客のニーズを掘り起こすこともでき、何が求められているかも把握しやすくなるのです。
また、顧客・読者の情報を条件抽出したうえでメールを配信しておくことで顧客に合わせたマーケティング戦略を取ることができます。
年代・性別・業種での属性抽出
例えば、「男性・女性」「20代~30代・40代~60代」「自営業・会社員」などの属性で、さまざまな条件ごとにマッチしたメールを作成します。ただし、属性を細かく分けすぎると、ターゲットも絞り込まれてしまうため、大まかな条件抽出にするのも手段です。
属性ごとにメールを変える工夫をして属性に合った内容を送ることで、それぞれが特に興味ある内容がより具体的に把握できニーズを知ることができます。
行動ベースでの属性抽出
また、リピート率や成約率の向上を目指すためには、より個人に合った提案が必要になります。
性別・年代と行った属性だけでなく、資料請求やメールアドレスの登録・製品やサービスの購入など行動属性で分けることも有効です。
たとえばメール登録フォームに入力して資料請求をしてくれた人は、自分の個人情報を入力してでも情報を得たいと思っている顧客です。
興味がない情報を受け取っても、顧客や読者は開封してくれませんし、興味がないメールが頻繁にくることでメルマガ自体に不満を感じることもあります。
逆に属性ごとに購入のサポートを変えて対応していけば、見込み顧客から既存顧客に昇格でき、既存顧客はさらにリピーターになってくれるようになります。
メールマーケティングのデメリット
メールマーケティングには、メリットやベネフィットがありますが、当然デメリットも存在します。
これらのデメリットも踏まえた上で、メールマーケティングを導入すれば、失敗も未然に防ぐことができるでしょう。
1.メールマーケティングのコンテンツ構築に時間がかかる
メールマーケティングは、動線設計からメールの作成など、最初に行う作業は多い点がデメリットです。
たとえば
こういった具体的な作業がメールマーケティングの構築作業になります。
またメールマーケティングではステップメールなどの自動配信メールシステムを多用していくことになるため、臨機応変な修正が難しく、運用し始める前に動線を含めた設計が必要です。
これらのスタートアップ作業は基本的な文章や構成を作成するのは手動のため、軌道に乗るまではどうしても人件費や時間がかかってしまいます。
故にメールマーケティングのシステム構築が完了するまでの時間は赤字となる点がデメリットです。
2.自動化といえどメンテナンスが必要なので長期的に管理できる人が必要
自動でメールを送信できるステップメールですが、できたらずっと放置でよいわけではなく、定期的にメンテナンスをしないといけません。
時代に合わない情報の修正
実は自動で配信されるメールも、次第にユーザーのニーズに合わないメールになることがあるのですが、メンテナンスをしないとマッチングの低い内容のメールをずっと送り続けることになります。
不確かな情報はユーザーを不安にさせ、購入率も下がってしまいます。
メールの内容に一時的な情報を記載している場合は定期的に変更したり、関係している法律や消費税・送料などが変わる時には変更が必要ですよね。
反応率UPのメンテナンス
また、不具合の調整だけでなく、向上という意味でのメンテナンスも必要です。
メールの開封率やメールを経由した購入率を測定すると、顧客・読者の反応やステップメールの効果が分かりますので、その結果を見てメールの内容を変える必要があります。
例えば販促効果が見られない場合は、ステップメールの内容や送るタイミングなどを大幅に変更し、メールマーケティングを効果的に活用する方法を考え直す必要があるので、こういった内容を管理する人員が必要です。
ですのでメールマーケティングの仕組みが構築できたあとも、頻繁にメールの効果測定などを行い、改善案を検証したり、コンテンツの内容をブラッシュアップしたりすることが大切です。
メールマーケティング実践に必要な7ステップ
それでは、実際にメールマーケティングを実践するまで何をどのように進めていけばよいのかをお伝えします。
やるべきことは少なくありませんが、1つずつクリアしていけば問題ありません。
焦らず着実に進めていきましょう。
STEP1.目的・目標設定(KPI・KGI)
ビジネスにおいて、プロジェクトの最初には必ず目標設定を行います。
メールマーケティングの場合でも同じで、「KPI」と「KGI」の2つのファクターがよく利用されます。
KPIはKey Performance Indicatorの頭文字を取ったもので、重要業績評価指標と呼ばれます。
KPIは仕事を進めてゆく過程において、重要な項目がどの程度の達成度であるかを評価する指標です。
KPIは重要な項目をどの程度の達成度で通過すれば、最終的な目標に到達できるかどうかを設定すると同時に、各々の段階においてどの程度の達成度かを測るためのものでもあります。
KGIはKey Goal Indicatorの頭文字を取ったもので、重要目標達成指標と呼ばれます。
KGIははっきり数値化されたものでないといけません。例えば自社のイメージを上げると言う指標は数値化して評価できないのでNGになります。
KGIの設定では自社サイトのアクセスを30%アップさせるなど、販売数を10%増やすという形での設定が求められるのです。
KPIについては仕事の内容によって色々な評価項目がありますが、それらに共通するのがSMARTという略語で表される条件です。
これは5つの条件の頭文字からできています。
- 具体的であること(Specific)
- 判定可能であること(Measurable)
- 達成が可能であること(Achievable)
- 現実的であること(Realistic)
- 期限が決められていること(Time-bound)
の5つの条件を満たした評価項目が求められるのです。
これらを満たしたKPIを使って業務を評価してゆくことで、最終的な達成ラインであるKGI(重要目標達成指標)をクリアできるようになるでしょう。
STEP2.顧客・メルマガ読者のリストの準備(ない場合は想定読者を決める)
メールマーケティングを始めるにあたって、まず準備しなければならないのは読者リストです。
メールマーケティングの場合、ただ読者数が数が多ければ良いのではなく、目的に合った読者を厳選して集める必要があります。
こう聞くと大変そうに思えますが、実はこの際有用なのが従来からの顧客・メルマガ読者のリストです。
当初、特定のマーケティングを目的とせず情報の配布をしてきた自社のファン(メルマガ読者)でも、配布するメールの内容を変えるだけで有望な見込み客になり得ます。
一方、新規のビジネスで既存の顧客が全くいない場合はゼロから目的とする読者を集めて読者リストを作成する必要があります。
STEP3.動線設計(登録からキャッシュポイントまでのシナリオ設計)
目標設定と読者リストの目処が立ったら、並行してメールマーケティングそのものの設計に入ります。
読者は大きく分けて「今すぐ客」と「見込み客」に分かれます。
メールマーケティングの設計では今すぐ買ってくれる「今すぐ客」だけでなく、今すぐ必要性を感じてはいない人「見込み客」をどう掘り起こして成約につなげるかを含めた設計が重要になります。
動線設計の場合、今すぐ客はすぐにでも商品を必要としているため、特別な案内をしなくてもカンタンに購入してくれます。
一方、見込み客とはその商品を今すぐには必要としていないため、購入の必要性に気づいてもらい購入の理由を作ってあげる必要があるのです。
今すぐ客・見込み客の誘導例
例えば洗濯機を販売する会社を想定してみます。
もし今、タイミングよく洗濯機が壊れそうな人がいたら、新しい洗濯機(商品)を購入してもらうことカンタンですよね?
少しオトクな情報を提供するだけで今すぐ洗濯機を購入してくれるでしょう。
ですが洗濯機を買い替えたいと思っていない人は当然は今すぐ洗濯機を買おうとは思いませんよね。
洗濯機の購入から家に来るまでの納期、設置日程が取りにくいことから家に来るまでの日数を逆算できるような案内をしてあげるのです。
その説明をし、相手に必要性を伝えることができると、見込み客は「洗濯機は壊れてからの購入では遅いのか、じゃあ早めに買っておこう、今なら30%オフでお得だし」と購入に進むようになるのです。
メールマーケティングでは、こういった今すぐは洗濯機がいらないけど、近いうちに必要になりそうな人=見込み客のユーザーに今すぐ買ってもらうための誘導ストーリーを設計をしていくことになります。
こういう動線を描くことがメールマーケティングの動線設計になります。
STEP4.コンテンツ作成(メールライティング・プレゼントコンテンツの作成)
基本的な設定がすべて完了したらいよいよコンテンツ作成に入ります。
メール文
メール文は言うまでもなく配布するメールの内容そのものです。どういう内容を配信していくのか、どういう順番でメールを送るのかで読者の反応が変わります。
資料
メールの本文を補足するために準備される資料も重要なコンテンツです。
図表を用いた文章では、PDF形式にした資料をメールに添付したり、リンクでサイトからダウンロードすることができるように設定したりします。
業種にもよりますが、グラフや表など数値を扱った資料はメール本文より注目されることもあるでしょう。HTMLメールに用いられているイラストなどが人気を集めることもあるようです。
プレゼント
加えてプレゼントコンテンツも有効です。よく見られるのが壁紙のプレゼントです。PC用でもスマホ用でも、背景画像として使える「壁紙」は人気です。
これを定期的に配布することで、メルマガなどの配信を楽しみに待つ読者が増えることが期待できます。
尚、コンテンツを作成する場合には、他者の著作権を侵害しないように注意して下さい。
STEP5.ステップメール設置・配信
メールマーケティングではリアルタイム配信のメルマガと並んでステップメールがよく利用されます。
例えば自社サイトに資料を請求した人に対して、一定間隔でその資料の便利な利用の仕方などを説明します。
そして、一定回数のメールを読み終わったら、自動で商品やサービスを利用してもらえるようにクロージングします。
ステップメールを組む際は、セールス感を強く出した押し付けがましいメールではなくあくまでサービスとして提供していることを重視するとうまくいきます。
また、テクニックとしてメールでわざと完結しないようにして分割し、最後に「次回予告」をつけることも読み続けてもらうためのテクニックです。
次々に読んでもらうことができれば、接触頻度が増え、少しずつ「読者との信頼関係の構築」ができ、後のセールスの反応が上がります。
尚、ある程度ステップメールができたら、使う予定のある程度形ができたら一度利用する予定のメール配信サービスに設置し、タイミングでステップメールが配信されるかどうかの動作確認が必要です。
ステップ6.メルマガ効果測定(クリック率・開封率・購入率)
配信開始後にも重要な仕事が待っています。メールの反応を確認する“効果測定”です。
単にメールを流しただけではマーケティングに繋がりません。
メールの反応を見て、効果が上がっているかどうかを判断しないといけないのです。
まずすべきは、一定期間の開封率やクリック率、購買率などをチェックします。
メールマーケティングの評価をする際に、利益に直接つながる“購買率”や“サービスの利用率”にばかり目が行きがちになりますが、購入率が示しているのはリピート客や今回購入してくれた一部のユーザーの反応のみです。
そういうユーザーの反応を確認できる指標の一つが開封率です。
開封率が高ければ読まれていますし、開封率が低いと読まれていなかったり自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられ開封せずに捨てられている可能性が考えられます。
また、開封率以外に、クリック率も読者の反応を見るための重要な指標です。
クリック率が低いと成約に繋がりません。
要は、たとえメールを開封してくれていても、購入につながるリンクをクリックしてもらえていないのであれば、購入したいと思えていない=伝えている内容が魅力的ではないということになります。
内容に魅力を感じてもらえていなければ当然顧客にはなりませんから、幾つもパターンを試しながらクリック率を確認しながらメール本文を「クリックしたくなる文章構成」になるよう工夫することが大切になります。
STEP7.メルマガ・コンテンツの改善
効果測定の結果、目標と比較して低い数値しか出ていない場合、改善点を見出して修正する必要があります。
それにはまずボトルネックとなっているのがどの部分なのかを洗い出すことから始めましょう。
全体の流れの中で前の方にあるものほどボトルネックになりやすいと考えて差し支えありません。
開封率の改善
開封率が低ければ、当然クリック率も購買率も低くなります。
この場合は迷惑メールと判定されている可能性と、タイトルの付け方が下手で、読者の興味を惹かないものとなっている可能性があります。
タイトルを変えて開封率をチェックしてみてください。
クリック率の改善
一方、開封率が高いのにクリック率が低く、購買率が連動して低いという場合、内容に魅力がなかったりクリックしにくい構成になっている可能性があります。
内容やクリックURL前後の文章・誘導などを変えてみて変化を測定してみましょう。
購入率の改善
最終的に購買率だけが低い場合は、メールの内容と購入ページのデザイン・説明などを改善してみましょう。
最後に購入する段階で即決できない理由が隠されているかもしれません。
改善を行ったら必ず前後での反応指標(開封率・クリック率・購入率など)の変化を比較します。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングも、どのようにメールを活用するかによって方法が変わってきます。
ご自身のビジネスに最適な方法はどれか、それぞれの特徴に注目しながら検討してみてください。
もちろん、どれか1種類のみという訳ではなく、2つの手法を組み合わせて活用することも可能です。
1.通常のメルマガ配信(全体送信、リアルタイム配信)
通常のメルマガでは配信希望者や顧客のメールアドレスを登録し、同じ内容の営業メールを登録者全員に受け取ってもらえるのが特徴で、顧客や読者を分け隔てすることなく扱えるのが特徴です。
メールマーケティングでメルマガ配信がよく用いられているのはリアルタイムで情報を顧客や読者に伝えられるからです。
封書やハガキでも同じ内容のものを作って一斉に発送することができますが、到着までに一日か二日はかかってしまいますがメールは送った直後に相手に届きますよね?
オトクな情報が到着するタイミングが相手によって異なってしまうと、先着何名様にプレゼントというような内容の場合には、不公平が生じてしまいますが、メールであればそこまでのタイムラグはありませんので大きな問題にはなりません。
しかし、このような内容であっても営業メールを配信すれば同時に顧客や読者に到着するため、平等な対応が可能なのです。
2.ステップメール
ステップメールは顧客が起こしたアクションに応じて、決められたメールを順番に自動送信するものです。
例えば、ウェブサイトへのアクセスによって広告のメールを送り、その1週間後までに購入しなかったらクーポンメールを送るということができます。
このようなステップアップ式のマーケティングを自動化して行えるのがステップメールの特色です。
ステップメールは顧客の興味や嗜好の変化にも対応できるのが魅力です。
登録時点では興味がなかった内容にも後々になって関心を寄せるようになることもあるでしょう。
しかし、ステップメールでは一定期間フォローをする形で話を進められるため、当初は興味がなかったものも紹介すると購入してもらえたりできます。。
3.ターゲティングメール
ターゲティングメールは顧客をユーザー属性に応じてセグメントに分けてからメールを配信します。
顧客の性別や年齢、購入履歴などのユーザーの情報で条件ソートしてメールを作成することで、メール配信をするのに適している顧客を厳選できることがターゲティングメールの特徴です。
ターゲッティングメールでは顧客がメールの内容に惹かれやすくなり、メールが届いたら是非読みたいと思ってもらいやすくメールが書けます。
例えば、家事を楽にするための便利グッズのマーケティングが目的なら主婦をターゲットにするのが合理的でしょう。
するとメールを配信された側からすればいつも興味を引く内容のメールが届きます。
4.リターゲティングメール
リターゲッティングメールは顧客や読者が起こしたアクションに対してメール配信をするのが特徴です。
リターゲティングメールは、よりダイレクトに顧客に訴えかけられるメールマーケティングの手法で、反応がいいという点から頻用されるようになってきました。
ウェブサイトへアクセスしたり、ショッピングカートに商品を入れたりしたときに送信するというのが代表例です。
顧客・読者の行動が条件に一致したときに、予め作成しておいたメールが自動配信される仕組みになっています。
営業する側の都合の良いタイミングで配信するわけでも、自動化されたプログラムによって送信されるわけでもないのが特徴です。
このリアルタイムでのメールマーケティングによって、すぐに購入したいと思っている人に対してタイムリーに送れることから反応率が高くなっているのです。
メールマーケティングに必要なメール配信機能
最後に、メールマーケティングに必要なメール配信機能をご紹介しておきます。
メール配信サービスを利用する際は、必ず以下の機能を備えたものを選ぶようにしましょう。
1.クリック率・開封率の測定機能
クリック率・開封率などの指標はメルマガの効果測定をするための機能です。
メルマガの効果測定に関してはこちらの記事に詳しくまとめていますが、クリック率や開封率を測定できるとメルマガのPDCAがしやすくなります。
メールマーケティングではメールを送信し、受信した顧客がそのメールを開封するというアクションを取ってくれることが必須です。
例えば、開封率をみることができれば、メールの開封率が高ければタイトルに興味を持ってくれた人がどのくらいいるかがわかり、低い場合にはタイトルで工夫が必要だとわかります。
またクリック率はメールの内容を読んだ時点で興味を持ってくれた人がどれだけいるかの指標ですので、クリック率を確認することで配信した情報が読者に取って興味があったかを確認できます。
開封率やクリック率などの計測は、メール配信サービスによってできる・できないが異なります。
理想としては、クリック率や開封率の両方が測定ができるメール配信サービスを利用することです。
きちんとデータが取れれば後はPDCAを繰り返しながらメルマガ配信をしていくことができ売上UPに繋げられるはずです。
2.読者の条件・ステータスごとに分類・抽出できる機能
メールマーケティングに必要な機能として、顧客や読者の条件やステータスなどに応じて抽出できる機能も重要です。
条件ソートができれば、顧客や読者を分類できます。
故に、どういった話題に興味があるのか、それぞれに何を配信すべきかはっきりとしてきますし、メールの内容を決めるためにも重要な参考データが得られます。
条件抽出できる機能はターゲッティングメールを送信するときには特に重要な機能で、この機能がないとユーザー属性やペルソナに応じて適切な内容のメールを配信できません。
また、リターゲッティングメールを活用するときにも欠かせない機能です。
どんなアクションを起こしている顧客や利用者がいるかを調査することができると、適切な条件設定をして効果的なメール配信を実現できます。
顧客や読者が欲しい情報を適切な頻度でメール配信できると信頼度も高まりますし、リターゲッティングによってタイムリーに欲しい情報が届けば、ファン化してずっとリピーターになってくれるかもしれませんよね。
3.ステップメール配信機能
メールマーケティングは相手の反応に合わせて送るメールが多いため、手動での対応が難しくなります。
そこで役立つのがステップメールというメールの自動配信機能です。
ステップメール機能を使うことで、顧客や読者のアクションに合わせて適切なメールを送るというプロセスを自動化できるため人件費を削減できます。
また、ステップメールを使うことで順序どおりにメールが自動的に配信されていくため、レクチャー系のステップアップ式のメールも送ることができ、顧客や読者の知識の育成も行えます。
そしてステップメールで丁寧に情報を送ることで、より深い興味を持ってもらうことができ購買意欲を高くなることが期待できます。
ステップメールにクリック分岐機能がついているサービスもあります。
クリック分岐機能を使うと、クリックするURLごとに送信するステップメールの切り替えができ、送るメール文相手に合わせて変えられるので、より興味に合った内容のメールを送ることができます。
ステップメールは信頼関係構築をする上でも重要な機能なのでぜひ導入してみてください。
メールマーケティングはとにかく実践が大切
メールマーケティングはしっかりやらねばいけない、と最初から成功を意識しすぎると何も進まないまま1ヶ月・2ヶ月と過ぎてしまいます。
個人でやっている方は、全体のイメージがついたらとにかくまずは行動(メールを配信)してみるのが最も近道になります。
また企業でやられている方も、最初から成功することは難しいことを運営チーム・上層にきちんと説明したてみてください。その上で、早くPDCAをを回すために実践段階に移行したいということを伝えながら、どんどん実践を積んでくださいね。
もし、高価な配信システムを導入するかどうかで作業が止まっているのであれば、一度テスト運営としてリーズナブルな配信システムの利用をしてみることも一つの方法です。
もし、安価な運営コストで高機能なメルマガ配信システムを探しているのであれば、一度「オレンジメール 」を利用してみてください。
個人事業の方も企業の方も利用している老舗のメルマガ配信システムな上、料金も無料期間等がありお試ししやすくなっていますので。
メルマガ運営は実践知ってからがスタートなので、是非第一歩を踏み出して、売上UPにつなげてくださいね。