配信したメルマガがスパムメールと判断されてしまう原因には、コンテンツの内容や配信の仕方、ドメインの問題など、さまざまな要因が絡んでいます。
まずはメルマガの内容を受信者のニーズに沿ったものに改善し「継続して読みたい」「有益な情報だ」と認識してもらうことが重要です。
メルマガを楽しみに読んでくれる受信者が増えれば、配信解除や迷惑メールフォルダへの振り分けが減り、スパムメール判定されるリスクを軽減することにもつながります。
並行して、メルマガ配信の技術的な面からもスパムメール対策を行いましょう。
配信方法や速度調整、配信リストのクリーニングなど、方法は多岐にわたります。
メルマガを受信者に確実に届けるために、多方面からスパムメール対策を行いましょう。
スパムメール判定されない為の内容
メルマガの内容が、気づかないうちにスパムメールと似た構造になってしまっていることがあります。
このような場合、メルマガがスパムメール判定される可能性が高まります。
メルマガ作成時に気をつけておきたい基本的な内容を確認しましょう。
文法、誤字脱字
スパムメールは、敬語や接続詞がおかしい文章で書かれていたり、漢字が中国語書体になっていたりするものも少なくありません。
そのためメルマガに文法の誤りや誤字脱字があると、スパムメールだと判定されてしまう危険性が高まります。
また、受信者がメルマガの文章に違和感を覚えるような内容では、メルマガのチェック体制や内容に疑問を持たれてしまうでしょう。
結果的に企業の信頼低下につながる危険性もあります。
メルマガ作成後は、文法の誤りや誤字脱字、不自然な日本語になっていないかなど、しっかりとチェックを行いましょう。
件名と本文を記載
メルマガの件名や本文は、必ず記載しましょう。
スパムメール業者は、有効なメールアドレスかを確認するために、メールを空欄のまま送信する手口を用いることがあります。
そのため、メルマガの件名を入力し忘れて空欄のまま配信してしまうと、スパムメール判定されてしまいます。
空欄でメルマガを配信することはないと思いますが、万が一のために送信前の確認は必要です。
過剰な文章の装飾をしない
スパムメールは、受信者の興味を引こうと過剰な装飾をする特徴があります。
メルマガ作成では「!!!!!」のようにマークを多用した文章の強調や、過剰な文字サイズ変更などは避けたほうがよいでしょう。
メルマガがスパムメールと誤認される可能性を高めてしまいます。
画像の多用は禁止
文章が少なく、画像を多用したメルマガを作成している場合は注意が必要です。
スパムメールは画像を多く使う傾向があるため、メルマガがスパムメール判定されてしまう可能性が高くなってしまいます。
画像は多用せず、全体の3割程度を目安に使用頻度を見直してみましょう。
添付ファイルの使用の回避
メルマガに添付ファイルをつけて配信すると、ISPによっては迷惑メールフィルタの対象になってしまう場合があります。
マルウェアを添付ファイルに仕込む事例が多いことが原因です。
受信者に開いてほしいファイルがあるのなら、URLを添付してリンク先で開いてもらう方法もあります。
可能な限り添付ファイルの使用は避けるとよいでしょう。
不審なURLを貼らない
アフィリエイトURLの貼り付けや、無料の短縮URLサービスの利用は避けましょう。
スパムメールだと判断される可能性が高まります。
とくに無料の短縮URLサービスで作成したURLは、危険なサイトのURLか判断しづらくなることから、迷惑メールフィルタに引っかかりやすい傾向があります。
添付ファイルのサイズを圧縮
圧縮せずに添付ファイルをつけたメルマガを配信すると、高い確率で迷惑メールと判定されてしまいます。
もし配信ができたとしても、メールサイズが大きく送受信に時間がかかることに加え、受信者のメールフォルダにも負担をかけてしまいます。
添付ファイルの送信が必要な場合は、サイズを圧縮してから配信を行いましょう。
コンテンツの問題
メルマガがスパムメール判定されてしまう原因には、コンテンツの問題が関係していることもあります。
作成したコンテンツの内容や表現に問題がないか、見直してみましょう。
グーグルのガイドライン
GmailやOutlookなどのフリーメールを、メルマガの配信先として登録する方も多いでしょう。
フリーメールはそのユーザー数の多さから、スパムメール業者のターゲットになりやすい傾向があります。
そのため厳しい迷惑メール対策を行っており、配信したメルマガが迷惑メールフィルタに引っかかってブロックされてしまうケースも少なくありません。
なかでもGoogleは、独自のルールで迷惑メールを判別していることが知られています。
具体的な内容についても書かれていますので、一読しておきましょう。
https://support.google.com/a/answer/81126?hl=ja
迷惑メールと誤解される表現
メルマガで迷惑メールによく使われる表現を使用していると、スパムメールだと誤解されてしまいます。
スパムメールで使われがちな言葉や、過剰な煽り文句の使用は避けましょう。
具体的には、お金儲けやアダルト系ワードの使用、「簡単に稼げる」や「当選しました」などの表現が該当します。
受信者のニーズに合った情報を提供
メルマガでは、受信者のニーズを把握して有益なコンテンツを配信することが重要です。
コンテンツが受信者のニーズに合わないと、興味を持ってもらえず開封につながりません。
結果的にIPアドレスやドメインの評価スコアが下がり、メルマガがスパムメール判定されやすくなってしまうでしょう。
そうなると、メルマガを好意的に読んでくれている受信者にも情報を届けられなくなってしまいます。
コンテンツが受信者にとって継続的に読みたいと感じるような内容になっているか、今一度確認してみましょう。
配信
メルマガ配信時に行えるスパムメール対策を紹介します。
すぐに改善して対策できる内容もありますので、チェックしてみましょう。
配信者情報の明記
配信するメルマガには、配信者情報の表示が義務付けられています。
どこから届いたメルマガなのか受信者が戸惑うことのないよう、必ずわかりやすい位置に配信者名や住所などを記載しましょう。
受信者に不信感を与えスパムメールだと判断されてしまうリスクを軽減できます。
エラー率の低い配信リスト
配信リストは定期的なクリーニングを行う必要があります。
配信リストのエラー率が高い状態でメルマガを配信してしまうと、IPアドレスやドメインの評価スコアが下がり、迷惑メールフィルタに引っかかる可能性を高めてしまいます。
エラーになったアドレスは一定の条件を設けてリストから削除するなど、エラー率が低い状態を保って配信を行いましょう。
セグメント配信
対象を絞ってセグメント配信を行うことも、スパムメール対策には有効です。
スパムメールは、同じ内容のメールを大量に送る特徴があります。
セグメントごとに分けると一度に送るメルマガの量が減りますので、スパムメール判定されるリスクが軽減するでしょう。
またセグメント配信は、属性ごとのニーズに合う情報を届けられるため、一斉配信に比べてメルマガの効果も高い傾向があります。
休眠状態の読者への配信回避
休眠状態になっている受信者に繰り返し配信するのは避けてください。
いつまでもメルマガが開封されないことから、迷惑メールフィルタに「必要のないスパムメール」だと判断されてしまいます。
休眠状態の受信者に対しては、反応の有無を測定できるコンテンツを配信し、期間内にアクションがない場合には配信を停止するなどの対策を行いましょう。
配信頻度の調整
メルマガを1日に何通も配信していたり、配信頻度にムラがあったりする場合は注意が必要です。
メルマガの配信頻度が理由で、受信者に不快感を与えているかもしれません。
受信者がメルマガを迷惑メールフォルダに振り分けたり、迷惑メール報告をしたりする事例が増えると、IPアドレスの評価にも影響します。
業界やサービスによって、メルマガに最適な配信頻度は異なります。
開封率や配信解除率などを確認しながら、適切な配信頻度に調整しましょう。
技術
迷惑メールフィルタにより、メルマガがスパムメールと判定されてしまうのには、さまざまな理由があります。
メール配信システムの機能を活用するなど、技術的な面からスパムメール対策を行うことで回避できる場合があります。
配信前のテスト
メルマガを作成したら、配信する前にテスト配信をしましょう。
受信者の氏名などを自動で挿入するパーソナライズ機能を利用している場合、実際にテスト送信をすれば正しい情報が表示されているか確認できます。
また先程お伝えしたように、内容にミスがあると迷惑メールに類似していると判断されてしまいます。
テスト配信はスパムメール対策だけではなく、メルマガの品質向上にも有効な方法です。
実際に受信者としてメルマガを確認することで、作成時には気づけなかった誤字脱字やリンク設定ミス、記載のもれなどを見つけられる可能性が高まるでしょう。
リダイレクト設定
メルマガでは、表示されているURLとリンク先のサイトが異なる、リダイレクト設定を利用するケースもあるでしょう。
しかしリダイレクト設定で受信者が想定していないページに飛んでしまう状態になっている場合は、フィッシング詐欺の手口と似ていると判断され、迷惑メールフィルタに引っかかってしまいます。
一度危険なURLだと判断されてしまうと、その後同じURLを記載したメルマガは配信できなくなってしまう可能性も。
リダイレクト設定を行う場合は、間違いがないことを十分に確認してから配信を行いましょう。
スパムトラップの回避
メルマガの配信リストにスパムトラップが含まれていると、高確率でスパムメール判定されてしまいます。
それによりIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されるようなことがあれば、メルマガ到達率に大きな影響を及ぼすでしょう。
スパムトラップの危険性があるリストへの配信は避けるべきです。
スパムトラップのメールアドレスは一見してわかるものではなく、ISPなどが用意したスパム業者特定用のメールアドレスや、長期間使われていないメールアドレスが利用されます。
購入した配信リストや、古いリストを使って配信した場合、スパムトラップが含まれている可能性は否定できません。
配信リストは正しい方法で入手し、定期的にリストのクリーニングを行うことでスパムトラップを回避しましょう。
配信速度の調整
短時間に大量のメール配信を行うと、迷惑メールフィルタに引っかかってしまいます。
配信量が多い場合は、適切な配信速度に調整することが必要です。
また、受信者のサーバーや携帯キャリアによっても受信しやすい配信速度は異なります。
そのため配信量や速度を調整し、受信環境ごとのルールに合わせた配信ができる、メール配信システムの利用がおすすめです。
メール配信システムの配信量や速度を調整する機能を活用すれば、手間をかけずにメルマガの到達率を高められるでしょう。
リターンメールの自動削除
配信エラーで戻ってくるリターンメールが多い場合、大量のメールを無差別に送るスパムメールだと認識されてしまう可能性があります。
致命的なエラーで届かないメールアドレスに繰り返し配信し、エラー比率を高めてしまうような状況は避けましょう。
リターンメールが多くエラー比率が一定以上になってしまうと、携帯キャリアに送信を制限されたり、メール到達率が大幅に下がったりする事態にもなりかねません。
メール配信システムで、リターンメールの自動配信停止やエラーアドレスの削除機能を活用するなど、配信エラーを回避する施策を行いましょう。
迷惑メールフィルターにかからないようにするには他にもコツがあります。
以下の記事ではスパムメールと判定されないためのポイントを説明していますので参考にしてください。
ドメイン
IPアドレスやドメインの評価スコアが低いと、スパムメール判定されてしまう確率が高まります。
ドメインに関連したスパムメール対策を紹介します。
独自ドメインでメールを送信
メルマガの配信を行う際は、独自ドメインから配信しましょう。
気軽に取得できるフリーメールのドメインは、独自ドメインに比べて評価スコアが低い傾向があります。
そのため受信者の環境によっては、フリーメールのドメインから配信されたメルマガはスパムメールだと判定されてしまう場合も。
メルマガを確実に届けるには、信頼性の高い独自ドメインを使用することが重要です。
送信ドメイン認証
送信ドメイン認証をしていないと、送信者情報を偽造した「なりすましメール」のリスクが高いため、スパムメールと判定されてしまう可能性があります。
送信ドメイン認証は、送られたメールが正規のものであることを認証する技術です。
IPアドレスを利用して送信元アドレスを検証する方法や、電子署名によりメールを検証する方法があります。
送信ドメイン認証は、スパムメール対策として行っておくべき効果的な方法です。
送信ドメイン認証により迷惑メールフィルタに引っかかることが減れば、IPアドレスの評価スコアアップにもつながるでしょう。
IPアドレスの評価スコア
今までの送信実績による積み重ねが、IPアドレスの評価スコアに影響を及ぼします。
受信者の迷惑メール設定や迷惑メール報告の多さ、スパムトラップに何度も送信するなど、さまざまな要因により評価スコアが低下しているとスパムメール判定されやすく、メルマガの到達率が著しく低下します。
IPアドレスの評価スコアが低い状況でメルマガなどの大量のメールを一斉送信すると、ISPやキャリアからIP単位で送信制限(スロットリング)をされてしまうことも。
定期的に評価スコアのチェックを行いましょう。
法律
広告や宣伝のためにメルマガを配信する際は、特定電子メール法を遵守しなければいけません。
特定電子メール法では配信に関する規制や表示義務のある項目が定められており、違反すると罰則が科される場合もあります。
メルマガのスパムメール対策にも役立ちますので、あらためて確認しておきましょう。
オプトインオプトアウト、ダブルオプトイン登録
特定電子メール法では、事前に同意を得た受信者にのみ送信を認めるオプトイン規制が導入されています。
以前は、同意を得ずに配信し必要のない受信者が受信拒否を行うオプトアウト方式を取っていましたが、平成20年にオプトイン形式に変更されました。
オプトインを取得する際には、ダブルオプトイン登録を行いましょう。
提示されたメールアドレスが有効であることをメルマガ配信前に確認でき、リターンメールの発生を抑えられるため、スパムメール判定の予防につながります。
受信者の同意を再確認することで、迷惑メール処理されるケースも減らせるでしょう。
解除方法の明示
特定電子メール法では、オプトインで同意を得たあとも受信者の希望により簡単に配信解除できるよう、解除方法の表示が義務付けられています。
配信の解除方法は、メルマガ上部や下部に分かりやすく表示することが重要です。
メルマガ配信解除の操作が面倒だと、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性が高まります。
多数の受信者が迷惑メールフォルダに振り分けてしまうと、迷惑メールフィルタがメルマガをスパムメールだと認識してしまいます。
「メルマガを読んでもらいたい」という思いから、配信解除方法をメルマガ下部に小さく記載しているものもありますが、長期的に考えると、迷惑メールに入れられてしまうよりは解除してもらったほうがよいでしょう。
効率的なメルマガ運用を行うためにも、配信解除方法は受信者の目につきやすい部分に記載してください。
問い合わせ先の明示
特定電子メール法では、送信者の名前や問い合わせ先の明示が義務付けられています。
受信者にオプトインでメルマガ配信の同意を得ていても、送信者や連絡先がわからなければスパムメールか判別できません。
信頼できる送信者からのメルマガであると受信者に理解してもらうためにも、問い合わせ先の表示は必要です。
メルマガ本文の最初や最後など、受信者にとってわかりやすい位置に必ず表示を行いましょう。
メルマガの受信者
メルマガが受信者に届くかどうかは、受信者側のメールアドレスや設定などにも影響を受けます。
設定変更は受信者側でしかできませんが、送信者側で対策できる内容もありますので、確認しておきましょう。
アドレスのリスト購入の回避
アドレスリストを購入してメルマガを配信することは避けてください。
配信前にオプトインの取得ができないため、特定電子メール法に抵触する可能性が高くなります。
また、購入したリストにリストに使われていないメールアドレスや架空のメールアドレスが含まれていた場合、エラー比率が上がりIPアドレスのスコア低下につながります。
結果的にメルマガがスパムメール判定されやすくなり、メルマガを待っている読者にも届けられなくなってしまうでしょう。
受信者側のエラー
届かないメールアドレスに配信しつづけると、継続してリターンメールを出してしまいます。
そのため、受信者の入力ミスなどの致命的なエラーで配信できないメールアドレスは、配信リストから外さなければいけません。
一方で、メールボックスの容量オーバーでメルマガを受信できない状況になっている場合は、受信者側で不要なメールを削除するなどの対策をすれば再度配信が可能です。
メールサーバーエラーが原因で、配信エラーになってしまうこともあるでしょう。
このような一時的な問題でエラーになったメールアドレスを配信対象から外してしまうと、メルマガを楽しみにしている受信者にも届けられなくなってしまいます。
受信拒否
受信者がメールアドレスを指定して受信拒否設定をしている場合は、ブロックされてしまうためメルマガを届けられません。
また、携帯キャリアなどのセキュリティ設定により、URLを記載したメールの受信ができないケースもあります。
メルマガ配信前に、受信者側に設定を見直してもらうよう促しておくとよいでしょう。
迷惑メールボックス
受信者側で設定した迷惑メール対策により、メルマガが迷惑メールボックスに振り分けられてしまう可能性も。
とくに送信ドメイン認証をしていない場合は「なりすましメール」と判定される確率が高まります。
メルマガを受信者に確実に配信するために、送信ドメイン認証は行っておきましょう。