ステップメールはシナリオを描くことで、より高い効果が期待できます。
しかし、どのようにシナリオを思い描くのかが分からない人や、そもそもシナリオとは何を意味するものなのか分からないという人もいるのではないでしょうか。
ステップメールとは、あらかじめ内容と配信スケジュールを設定した複数のメールのことです。シナリオを描くことで、より消費者に訴求できるステップメールとなります。
そこでステップメールのシナリオ作りで大切なことや、いくつかの事例・テンプレートをご紹介しましょう。
ステップメールのシナリオとは
ステップメールのシナリオとは、消費者を目的まで導くための筋書きです。
ある程度シナリオで描くことで、消費者の状況に応じたメールを配信し、効果的な訴求を期待します。
同時に多くの人に送信するよりも、消費者の状況に合わせてのメールなので、消費者心理に寄り添い、消費意欲を刺激します。
ステップメールのシナリオ例文・構成テンプレート
ステップメールのシナリオとしては下記のようなテンプレートがあります。
- 1通目:登録のお礼・自己紹介・無料プレゼント
- 2通目:メールの目的・読者のメリット・問題提起
- 3通目:問題解決・有益な情報
- 4通目:問題解決・ストーリー
- 5通目:問題解決・具体例
- 6通目:お客様の声・体験談
- 7通目:購読のお礼・CTA
実際にこれらのテンプレートをこれからご紹介していきましょう。
1通目:登録のお礼・自己紹介・無料プレゼント
まずはメルマガに登録してもらったお礼をお伝えしましょう。
また、ユーザーによっては登録したメールだと気付かないケースもありますので、配信に至った経緯も触れておくとより印象をアピールできます。
そのため、出し惜しみするよりも何を得られるのか、どのようなメリットがあるのかを分かりやすく伝えることが大切です。
“〇〇様(ユーザー名)
△△株式会社の山田と申します。
今回は弊社サービスのご登録ありがとうございます。
当サービスは「収入を増やしたい」「空いた時間にできる副業はないか」などの思いを抱えている方向けのものです。
実は私も〇〇様と同じで副業を探していました。そこで出会ったビジネスが軌道に乗り、今では独立にも成功しました。
このメール配信では、副業や収入アップのノウハウをお伝えしていきますので次回の配信を楽しみにお待ちいただけると幸いです。
また、本メルマガサービスをご登録いただいたお礼に、特別な動画をご用意させていただきましたので以下URLからぜひご覧ください。
△△株式会社
山田太郎”
2通目:メールの目的・読者のメリット・問題提起
1通目で伝えたメール配信の目的・メリットを明確にしておきましょう。
ただし、あまりくどくど説明すると敬遠されてしまいますので、さらりと復習する程度が好ましいです。
等、何を得られるのかを再確認してもらいつつ、次回への期待感も刺激する一方で、問題提起も大切です。
問題意識を芽生えさせることで、ユーザーの「解決の方法を知りたい」という欲求を刺激します。
“〇〇様(ユーザー名)
△△株式会社の山田です。
前回とあわせて、全7回の配信を予定しておりますので楽しみにお待ちください。
当メールを実践してくださった会社員男性がいらっしゃいます。その方は、スタートしてからおよそ半年で副収入が月100万円に到達しました。
副業を始めることで、会社以外から得られる収入が余裕をもたらします。
次回からいよいよ具体的なノウハウをお伝えしますのでご期待ください。
△△株式会社
山田太郎”
3通目:問題解決・有益な情報
ユーザーがメルマガに登録したのは、「何か」に期待しているからです。
その「何か」のアンサーは、3通目が適しています。
1通目、2通目はいわばその後のエピローグです。しかし、3通目までエピローグを続けると、ユーザーに「具体的なことがない」と思われ、解約されてしまうリスクが生じます。
そこで問題解決のための有益な情報を明示しましょう。
しかし、ここでは有益な情報を全て出すのではなく、あくまでも「続きが気になる」と思わせる内容にしましょう。
“〇〇様(ユーザー名)
△△株式会社の山田です。今回で3回目の配信です。
(読者にとって有益な内容)
今回のメール配信は以上となります。
次回は「自分に合った副業選び」のテーマについてお伝えします。
△△株式会社
山田太郎”
4通目:問題解決・ストーリー
問題解決のためのストーリーを提示します。
ストーリーとは、ちょっとしたエピソードです。
といったように、読みやすく、かつイメージしやすいストーリー型式で紹介します。
これにより、「具体的な方法を知りたい」と、次のメールへの購読意欲を刺激します。
つまり、4通目は1通目から3通目のアンサーであると共に、5通目以降のエピローグ的な意味も含んでいる大切なメールになります。
といったように、次への期待を持たせるメールにしましょう。
“〇〇様(ユーザー名)
△△株式会社の山田です。今回で4回目の配信です。
とある購読者様は、時間がないことで悩んでいました。
副業をと思っても時間がない。でも収入を増やしたい。
その悩みを解決してくれたのが〇〇だったんです。
その〇〇については、次回でより詳しくお伝えします。
△△株式会社
山田太郎”
5通目:問題解決・具体例
問題解決のための具体例を提示しましょう。
具体的な方法になりますので、出し惜しみする必要はありません。7通のステップメールの肝になる部分です。
なぜなら、6通目や7通目は、5通目の補完的な役割になりますので5通目は押しの姿勢を出し、具体的な有益情報を伝えましょう。
“〇〇様(ユーザー名)
△△株式会社の山田です。今回で5回目の配信です。
時間がない悩みを解決したのは〇〇でした。
〇〇を活用することで、悩みが解消されたこの方は、副業で多くの収入を得ることに成功しました。
〇〇には△△、□□といったメリットがあるので時間がなくても実践が可能です。
次回のメールでは○○を実際に利用した人の声をご紹介しますのでご期待ください。
△△株式会社
山田太郎”
6通目:お客様の声・体験談
お客様の声や体験談は、5通目の具体例の補完的な位置付けになります。
5通目でアピールした具体例が真実であること、実際にサービスを利用することで、具体例通りになっているのかを確認してもらうことであり、説得力を付帯させることで消費意欲を刺激します。
多くの人が賛同しているものは、信じる気持ちも強まりますので、同じ商品・サービスを購入したお客がどうなったのか、多くの体験談を掲載しましょう。
“〇〇様(ユーザー名)
△△株式会社の山田です。今回で6回目の配信です。
今回は実際に利用した方の声をご紹介します。
□□さん「〇〇を活用するようになって、短時間でも取り組めることが分かり、さらには収入も増えたので助かっています。
〇〇さん「〇〇のおかげで時間にとらわれずに収入を生み出すことができるようになりました」
このように、○○で成功している人が多々いるんです。
△△株式会社
山田太郎”
7通目:購読のお礼・CTA
購読のお礼と、アクションを促すためのボタンの設置です。
ここまでの6通のメールで、商品・サービスの購買意欲を刺激した後、7通目にて背中を押します。
また、人情面へのアプローチとして購読のお礼も述べましょう。
お礼を述べることで心象面に訴えかけつつ、最後の一押し。これにてCTAを押してもらうことがステップメールの流れです。
“〇〇様(ユーザー名)
△△株式会社の山田です。今回が最後の配信です。
これまでメールをご覧いただき、ありがとうございました。
多くの人を成功に導いている〇〇へのご応募、是非お待ちしております!
応募はこちら
△△株式会社
山田太郎”
メルマガのステップメールのシナリオの書き方のコツ
メルマガのステップメールのある程度の流れは先にお伝えした通りですが、シナリオを書くためのコツは多々あります。
- 全体像を把握する
- ユーザーに価値を提供する
- 1通ごとに伝える要素を明確にする
- ユーザーの課題解決でコンバージョンを高める
- PASONAやAIDMAの法則を使う
- ステップメールに相性の良いストーリーテリングを使う
- テンプレートを参考にシナリオを作る
- アンケートを実施する
- コミュニケーションを意識する
- 次回につながる内容を盛り込む
- セールスは事前に告知する
主にこれらに気を付けると良いのですが、それぞれについて解説していきましょう。
全体像を把握する
まずは全体像を把握しておきましょう。
ステップメールの目的、さらにはターゲットをより具体的に設定することで、ステップメールのシナリオもより緻密なものとなります。
ステップメール内に齟齬・矛盾があると説得力や信頼性を損ねてしまいますので、全体像はステップメールのシナリオを書くために必ず把握しておきましょう。
ユーザーに価値を提供する
ステップメールは、順にメールを読んでもらうためのものです。
しかし、必ず最後まで読んでもらえるとは限りません。メリットがないと判断されてしまえば、途中で読まれなくなります。
そのため、ユーザーにとって有益な情報を提供しましょう。ユーザー目線の「価値」を考え、提供する。これはすべてのステップメールに共通しています。
価値のないものを継続するほど、現代のユーザーは甘くはありません。
1通ごとに伝える要素を明確にする
ステップメールはいくつかのステップを通して購入や申し込み・清涼請求等のゴールを目指すものですが、ユーザーにとっては1通でもつまらないと思ったら、その時点で購読終了となります。
ステップメールを出す自社は「次こそ本命」「これはまだまだ序の口」といったように、全体像を把握しているからこそわかることもありますが、ユーザーは送られてきたメールだけで判断します。
その点では毎回が勝負になりますので、必ず1通ごとに伝える要素を明確にしておきましょう。
ユーザーの課題解決でコンバージョンを高める
ユーザーに現状のままではいけないとの危機感、あるいは改善しようという意欲を持ってもらうことも大切です。
つまり、現状ではだめだということを伝えると共に、その課題を解決できることも併せて伝える必要があります。
無駄に煽るだけではなく、かといって頓珍漢な改善策を提示するでもなく、ユーザーが困っていることを解決するための方法を提示することで、ユーザーの消費意意欲はもちろんですが、ステップメールの購読意欲を高めることになります。
PASONAやAIDMAの法則を使う
「AIDMA」や「PASONA」と呼ばれる法則を参考にすると、ステップメールのシナリオをスムーズに構築できます。
- Attention(注目、認知)
- Interest(興味)
- Desire(購入欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
の頭文字からなるAIDMA。
- Problem(問題)
- Agitation(扇動)
- Solution(解決策)
- Offer(提案)
- Narrow down(絞込)
- Action(行動)
の頭文字からなるPASONA。
この二つの消費者行動原則を知ることで、消費行動に寄り添ったメルマガのシナリオが見えてくるはずです。
ステップメールに相性の良いストーリーテリングを使う
ストーリーテリングも有効な手段です。
誰がどんな商品を購入しているのか、利用しているのかを語ることで、登録者自身が商品・サービスを利用する具体的イメージを抱くことになります。
商品そのものだけではなく、その商品のバックグラウンドも含めて買っているユーザーが多いので、それらを含めたストーリーテリングは消費意欲をより刺激します。
テンプレートを参考にシナリオを作る
ステップメールのテンプレートを元にシナリオを作成しましょう。
すると、何を訴えたいメールなのか、登録者に伝わりにくいです。
慣れるまでは、テンプレートに則ってメールを作成しましょう。
ステップメールを出す目的は、読んでもらい、購入・申し込みをしてもらうことであって、テンプレートに頼らずにオリジナルのステップメールを作ることではないはずです。
アンケートを実施する
ステップメールは基本的に読んでもらうものです。
しかし、これではどうしても一方的な情報発信となり、コミュニケーションとはなりません。
また、「参加している」との気持ちを抱いてもらうことで、興味を高めることにもなるなど、メリットの多い手法です。
コミュニケーションを意識する
メルマガというスタイルはどうしても一方通行になりやすいです。
その点では先に挙げたアンケートのように気軽に参加できるものが良いのですが、意見、あるいは返信といった形を受け付けることで読者とのコミュニケーションを育むことができますし、読者の声を聞く貴重な機会にもなります。
次回につながる内容を盛り込む
ステップメールとは、全てのメールを購読してもらってこそで、途中で解約されてしまっては意味がありません。
そのため、毎回「次に繋がる」メールを出すことが大切です。ステップメールはその都度作成するのではなく、全体像を把握してからメールを作成できますので、次回何を配信するのか、ある程度把握できる状態にあるはずです。
そこで、次のメールはどのような内容なのかを伝えることで、読者に次への期待感を持ってもらいましょう。
セールスは事前に告知する
ステップメールは、基本的に最後のメールでアクションを促すものです。
そのため、セールスを行うのであれば事前に告知しましょう。
まるで読者を騙すかのようなセールスは、売れないだけではなく不信感を抱かれることになるなど、デメリットが大きいです。
シナリオを書くときの注意点
ステップメールのシナリオを書く時には下記の注意が必要です。
- 営業色が強すぎると登録解除されやすい
- 長いシナリオや複雑な分岐は労力がかかる
- 1通でも手を抜くと登録解除につながる
これらについて、より詳しく解説していきましょう。
営業色が強すぎると登録解除されやすい
あまりにも営業色が強いステップメールは登録解除されやすいです。
消費者心理として、「買いましょう」「お得です」と強調されると消費意欲が低下します。
ステップメールの場合ステップ(最後まで購読)してもらうことが大切になりますので、資料請求や商品請求への誘導は、いざという時だけにとどめましょう。
長いシナリオや複雑な分岐は労力がかかる
ステップメールのシナリオを考える際、特にまだまだステップメールに慣れていない場合、緻密だったり、あるいは長いシナリオを考えてしまう傾向が強いです。
慎重に計画を立てようとする気持ちはよく分かるのですが、読み手の行動や考えの分析は難しいです。
さらには慎重に立てた計画の下で作成したステップメールでも、最初から効果が出る可能性は低いです。
失敗を繰り返すことで、データも集まり、最善の方法が見えてくるものですし、長いシナリオは労力もかかるので、いつまでもステップメールを出せなくなるリスクもあります。
まずは3ステップ程度の簡単なステップメールから作成してみましょう。
1通でも手を抜くと登録解除につながる
ステップメールでよくある話として、ステップばかりを意識してしまうことから、1通単位では内容の薄いメールになってしまうというものです。
ステップメールで大切なことは、目的を達成することなのですが、次第に「ステップメールを順番通りに用意すること」が目的となってしまい、忙しい時には内容の薄いステップメールとなってしまうケースも見受けられます。
しかし登録者にとってメリットの無い、中身の薄いステップメールは解除リスクが高まりますので、1通も手を抜くことはできません。
ステップメールの作り方と成功事例
ステップメールの作り方としては、下記となります。
- 目的や目標を明確にする
- ターゲットを決める
- カスタマージャーニーマップを作る
- シナリオを作る
- 本文をライティングする
- 配信を設定する
- 配信テストをする
- 効果測定と分析・改善を行う
ステップメールの作り方に関しては下記にてより詳しく解説していますのでご覧ください。
>>ステップメールの作り方ロードマップ!成功事例や配信のコツも徹底解説
LINEのステップメールの作り方
LINEを用いたステップメールの作り方の流れは下記になります。
- ステップ配信を選択
- 基本設定を入力
- メッセージ設定を入力
- ステップを追加・メッセージを配信を選択
- 条件分岐を選択
上記を意識することで、読者に訴求しやすいステップメールを作ることができますが、より詳しく知りたい方は下記もご覧ください。
>>ステップメールとLINE公式アカウントのステップ配信の違いは?
ステップメールを無料で使えるおすすめのメール配信システム
ステップメールは配信システムでの作成も可能です。
- める配くん
- エースメール
- BENCHMARK
- オレンジメール
- ワンステップメール
上記は無料でステップメールを利用できますが、より詳しく知りたい方は下記もご覧ください。
>>【専門家監修】ステップメールが使えるおすすめの配信システム10選
ステップメールのシナリオを構築して売上アップを図ろう
ステップメールのシナリオが大切な理由について解説させていただきました。
ステップメールは効果的に活用することで読者の消費意欲を上手くエスコートし、商品・サービスまで導くことができるのですが、間違ったステップメールは解約リスクを高めてしまいます。
そこでシナリオです。シナリオを練ることで効果的なステップメールの作成が可能になるのですが、一方で初めから訴求力の高いステップメールを作成するのは難しいものです。
そこでステップメールを含め、メール配信サービスを行っているオレンジメールを頼ってみてはいかがでしょうか。
幅広いメールによるマーケティング術のノウハウを蓄えていますので、ステップメールはもちろんですが、依頼者のニーズに合ったメールの方法を提案してくれることでしょう。