- LINEで配信できるステップ配信ってどんな機能?ステップメールとは何が違うの?
- LINEのステップ配信をしていれば、ステップメールは必要ない?
LINEのステップ配信とステップメールの導入や使い分けに悩み、このように感じている企業のマーケティング担当者の方もいるでしょう。
LINEのステップ配信とステップメールは、利用するツール以外にも得意なターゲットやリスクなどが異なります。
この記事では、ステップメールとの違いやLINEのステップ配信を使うメリット・デメリット、配信のコツや注意点について、詳しくお伝えします。
利用料金やステップ配信作成の簡単な流れなども説明するため、ステップ配信導入に向けた総合的な理解に役立ててください。
LINE公式アカウントのステップ配信とは?ステップメールとの違いは?
LINE公式アカウントのステップ配信とは、LINEのビジネス用アカウントである「LINE公式アカウント(旧LINE@・ラインアット)」で利用できる機能のひとつです。
ステップ配信では、友だちになったユーザーのアクションを起点として、あらかじめ設定したメッセージを順番に配信できます。
例えば、ユーザーが公式LINEを友だちに新規登録したタイミングから
- 3日後に友だち限定クーポンを配信する
- 5日後に新商品情報を配信する
といった配信スケジュールの設定が可能です。
メールではなく、「LINEツールを活用したステップメール」と考えるとわかりやすいでしょう。
また、LINEは主に個人間でのコミュニケーションを目的として利用される、プライベート感の強いSNSです。
そのため、BtoC向け(飲食店などの店舗ビジネス)に適していると言われています。
一方でステップメールは、BtoB向け(法人営業)や高額商品で効果が出やすい傾向です。
ビジネスではメールの利用が主流であることに加え、ビジネスシーンや高額商品は検討期間が長く、ユーザーとの信頼関係がより重要視されることが理由と考えられます。
そのほかの大きな違いとしては、以下3点が挙げられます。
- 到達率、開封率、クリック率の差
- アカウント消滅リスクの有無
- メールアドレスのリストを保持している企業の違い
違う点についての詳細や、LINEステップ配信の特徴については、メリットとデメリットの項目で解説します。
なお、「そもそもステップメールがわからない」「ステップメールとメルマガは何が違うの?」という方は、下記のページで解説していますので、ご覧ください。
>>ステップメールとは?メルマガとの違いや売上アップの戦略を徹底解説
LINEのステップ配信を使うメリット
LINE公式アカウントでステップ配信を行うメリットは、主に以下の4つです。
- 友だち(顧客リスト)を集めやすい
- 開封率・到達率・クリック率が高い
- リアルタイムで読まれやすい
- メールを使わない層をカバーできる
ひとつずつ解説します。
友だち(顧客リスト)を集めやすい
LINEはメール配信に比べて集客のハードルが低く、顧客リストを集めやすいメリットがあります。
企業からメールやLINEで情報を届けるには、ユーザーからの登録が必要です。
登録時にメールアドレスや氏名などの個人情報を入力するメール配信に比べて、LINEの友だち登録は画面をタップするだけで完了します。
そのため、メール配信に比べてユーザーの手間が少なく、登録者を増やしやすい特徴があります。
開封率・到達率・クリック率が高い
LINEのステップ配信は、ステップメールと比較して開封率・到達率・クリック率が高い特徴があります。
LINEは、ユーザーが身近な人とのコミュニケーションに活用しているツールです。
また、到達率は非常に高いことが知られており、100%と言ってもよいでしょう。
LINEでは、ユーザーがブロックしない限りメッセージが届くため、メールのようにサービス提供会社の迷惑メールフィルタによって到達率が下がる心配がありません。
そのため、伝えたい情報を確実に届けられます。
以下の記事では、LINEの開封率・到達率の高さや開封率を上げる施策について、詳しく解説しています。
ぜひ併せてお読みください。
>>LINEメルマガ(LINE公式アカウント)の開封率と到達率が高い理由とは?
リアルタイムで読まれやすい
LINEは、リアルタイムで見てもらいやすいツールのため、メールよりもタイムラグの少ない情報伝達が可能です。
そもそも、ステップ配信やステップメールは、ユーザーにとって最適なタイミングで情報を配信するための仕組みです。
狙ったタイミングで配信し、すぐに読んでもらうことで高い成果を期待できます。
そのため、リアルタイムで見てもらいやすいLINEは、ステップ配信を行う効果的なツールと言えます。
メールを使わない層をカバーできる
LINEを活用すると、メールを使わないユーザー層にもアプローチできます。
そのため、メール使用頻度の低い若年層や、ステップメールの配信に反応のないユーザーに対しては、LINEのステップ配信が有効なケースもあります。
ターゲットユーザーに合わせてツールを使い分けることで、幅広いユーザー層に効率的なアプローチが行えます。
LINEのステップ配信を使うデメリット
LINEのステップ配信利用におけるデメリットも把握しておきましょう。
主なデメリットは、以下の5つです。
- ブロックされやすい
- 利用できない業種がある
- 顧客リストを失う危険性がある
- 配信数が多い・機能を追加するときはコストがかかる
- シナリオ作成や条件分岐の設定に労力がかかる
詳しく説明します。
ブロックされやすい
LINE公式アカウントは、配信内容をユーザーが「必要ない」と感じると、すぐにブロックされる傾向があります。
友だち追加が簡単なことや、スタンプ獲得などのインセンティブ目当てで友だち登録するユーザーが多いことが理由です。
そのため、配信情報の質や友だち獲得の施策によって、ブロック率が高まる可能性があります。
利用できない業種がある
LINE公式アカウントは、すべての企業が利用できるわけではありません。
業種やサービスによっては利用できない場合があります。
一例として、以下の業種やサービスが挙げられます。
- 出会い系
- アダルト系
- ネット関連ビジネス
- マルチ商法
- ギャンブル
運営会社の判断によっては、アカウント開設後に利用停止となる危険性もあります。
アカウント開設前に、こちらの公式サイトで確認しておきましょう。
顧客リストを失う危険性がある
アカウント消滅などの急なトラブルにより、顧客リストを失う危険性があります。
しかしLINE公式アカウントは、LINE運営会社が保有しているユーザー情報を使用して配信する仕組みです。
そのため、LINE運営企業の方針転換やガイドライン変更により、LINE公式アカウントを利用できなくなるリスクがあります。
配信数が多い・機能を追加するときはコストがかかる
ステップ配信は、1人のユーザーに対して段階的に複数のメッセージを配信する仕組みです。
また企業によって、LINE公式アカウントのステップ配信では、希望する機能が不足しているケースもあるでしょう。
その場合は、LINE公式アカウントと連動して機能を補う外部ツールを併せて導入する必要があり、追加コストもかかります。
シナリオ作成や条件分岐の設定に労力がかかる
ステップ配信は、コンバージョンにつながるように、複数の観点から考えて組み立てなければなりません。
そのため難易度が高く、時間と労力がかかる点は大きなデメリットと言えます。
具体的には
- 配信起点の設定
- 配信するタイミング
- 条件分岐
- ステップ配信の回数
- シナリオの流れ
- 具体的な配信内容や画像の作成
などといった、多くの項目について設定していきます。
LINEのステップ配信の作り方・使い方
LINEのステップ配信の作り方を、5項目にわけて簡単に説明します。
1.ステップ配信を選択
引用元:LINE Official Account manager
ホーム画面から「ステップ配信」を選択します。
新しく作成する場合は、右上の「作成」を選んでください。
2.基本設定を入力
引用元:LINE Official Account manager
基本設定の入力画面が開くので、ステップ配信の管理用のタイトル・タイムゾーン・有効期間・配信数の上限などを入力します。
3.メッセージ設定を入力
「基本設定」の下にある「メッセージ設定」で、ステップ配信するメッセージを作成します。
「友だち追加」をクリックして追加日・追加経路を選択し、保存してください。
引用元:LINE Official Account manager
4.ステップを追加・メッセージを配信を選択
引用元:LINE Official Account manager
「ステップを追加」をクリックし「メッセージを配信」を選択すると、次のステップに移るまでの日数と「メッセージ配信」の枠が追加表示されます。
引用元:LINE Official Account manager
日数をクリックすると「待ち時間の編集」が表示され、次のステップに移るまでの日数変更が可能です。
「メッセージ配信」の枠から、実際に配信するコンテンツを作成してください。
作成後はプレビューで確認し、保存しましょう。
引用元:LINE Official Account manager
また、「メッセージ配信」から出ている矢印にカーソルを合わせ、表示された「+」をクリックすると、次に配信するコンテンツを追加できます。
引用元:LINE Official Account manager
5.条件分岐を追加
引用元:LINE Official Account manager
「友だち追加」の下にある「ステップを追加」をクリックした際に「条件分岐を追加」を選択すると、ステップ配信するメッセージの条件分岐を追加できます。
条件名を入力し、分岐させる条件を設定してください。
引用元:LINE Official Account manager
条件は、属性とオーディエンスが選択可能です。
引用元:LINE Official Account manager
上記の流れで、ステップ配信するコンテンツや分岐条件を作成しましょう。
引用元:LINE Official Account manager
作成が完了したら「利用開始」をクリックすると、作成したコンテンツが自動でステップ配信されます。
引用元:LINE Official Account manager
公式サイトにも使い方の説明ページがあるため、併せて確認してください。
LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) ステップ配信マニュアル|LINE for Business
LINEのステップ配信のコツ
ステップ配信は、以下3つのコツを押さえて運用しましょう。
- ユーザーが見やすい時間帯に配信する見られやすい時間帯に配信する
- 伝えたいことは繰り返し配信する
- 相手の特性に合わせてシナリオ分岐を活用する
メール配信でも有効性の高い基本的な内容ですが、あらためて確認しておきましょう。
ユーザーが見やすい時間帯に配信する
ステップ配信は、受信した相手が見やすい時間帯を狙って配信することがポイントです。
ターゲットユーザーの生活リズムや配信後の分析結果をもとに、見やすい時間帯を割り出すとよいでしょう。
伝えたいことは繰り返し配信する
重要な情報や訴求したいポイントは、配信で繰り返し伝えることがおすすめです。
ユーザーは、日々多くのメールやLINEを受け取っているため、たまたま読んでいなかったり、内容を覚えていなかったりする可能性も考えられます。
そのため、強く印象に残るように、訴求したい一番のポイントは表現や伝え方を変えて複数回伝えましょう。
相手の特性に合わせてシナリオ分岐を活用する
よりユーザーの興味を高めるには、「自分に向けて配信している」と感じるような、相手の特性に合ったシナリオでステップ配信をすることが重要です。
条件分岐を上手に活用し、ユーザー属性に応じたステップ配信を行ってください。
LINE公式アカウントで利用可能な条件分岐は、以下のとおりです。
- 属性(性別・年齢・OS・エリア)
- オーディエンス
さらに詳細の条件で分岐させたい場合は、LINE公式アカウントの機能と連動した外部ツールの導入を検討するとよいでしょう。
LINEのステップ配信の注意点
ステップ配信では、必要なメッセージ数や料金プラン、配信頻度などを、事前に想定したうえで取り組むことが重要です。
LINE公式アカウントは、料金プランによって配信できるメッセージ通数が異なります。
なお、配信するメッセージ数が多いと、ユーザーにブロックされる危険性が高まります。
コスト面はもちろんブロックを防ぐためにも、1日1通、週に1~3回程度を目安に配信しましょう。
LINEのステップ配信システム料金比較
LINE公式アカウントでステップ配信をする際の料金について見てみましょう。
LINE公式アカウントは料金プランが3種類あり、主に送信可能なメッセージ通数が異なります。
プラン別の料金は以下のとおりです。
【LINE公式アカウント 料金プラン】
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費 (税別) | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ通数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
追加メッセージ料金 (税別) | 不可 | 5円/通 | ~3円 ※追加配信数により変動 |
引用:料金プラン|LINE for Business (linebiz.com)
ひと月に配信するおおよそのメッセージ回数が予測できる場合は、こちらの料金シミュレーターでおすすめの料金プランを診断できます。
LINE公式アカウント 通数費用シミュレーター|LINE for Business (linebiz.com)
また、LINE公式アカウントのステップ配信を活用する際、機能性や操作性などを高めるために、LINEマーケティングツールの導入を考えている企業の方もいるでしょう。
LINEマーケティングツールを提供している企業は数多くあるため、料金プランや機能性を比較し、自社に合うツールを探すことが大切です。
今回はLINEマーケティングツールの一例として、中小企業向けの課題解決に強みがある「Lステップ」と、多くの業態に対応可能な「Liny」の料金プランを紹介します。
なお、どちらもLINE公式アカウントの料金とは別に料金がかかります。
プランに付属しているサービスや機能についても異なるため、詳しくは公式サイトをご確認ください。
【Lステップ 料金プラン】
スタートプラン | スタンダードプラン | プロプラン | |
月額料金 (税込) ※初月無料 | 5,000円 2,980円 | 21,780円 | 32,780円 |
送信可能数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
引用:料金プラン|Lステップ公式 (linestep.jp)
【Liny 料金プラン】
スタートプラン | ベーシックプラン | プレミアムプラン | |
月額料金 (税別) | 5,000円 | 39,800円 | 69,800円 |
初期費用 (税別) | 49,800円※初回登録時のみ | ||
送信可能数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
引用:料金プラン|LINEマーケティングや販促・顧客管理ならLiny (line-sm.com)
LINEのステップ配信を無料で使うならLINE公式アカウント一択
ステップ配信を最低限のコストで行いたいと考えている場合は、LINE公式アカウントのフリープランがおすすめです。
今後、LINEマーケティングツールを導入する際にも、LINE公式アカウントの機能や操作性を経験しておくことで、マーケティングツール選択の判断基準を得られます。
LINEのステップ配信の事例
さまざまな業界で活用したLINEのステップ配信の事例を、一覧表で紹介します。
業界・業界 | 活用事例 |
求人 | 会社に対する関心や、就職後の期待度を強めるために活用できます。 ・会社説明会にて友だち登録を促す |
物販 | 購入後の安心感を与える流れを作り、売上アップにつなげましょう。 ・商品の性能紹介、セール情報を配信する |
飲食店 | 期限設定したクーポンを配信し、来店のきっかけにしましょう。 ・登録直後に友だち限定のクーポンを配信する |
習い事・教室 | ステップ配信にアンケートを盛り込み、結果をもとに訴求を実施します。 ・習い事や教室の詳細を配信する |
皮膚科クリニック | ステップ配信により段階的に悩みを表面化させ、来院につなげる方法です。 ・配信条件を、悩みが表面化する前のユーザーに限定する |
個別相談・セミナー | 内容や情報、口コミなどを段階的に伝え、参加意欲を引き出すために活用します。 ・セミナーや個別相談ができる内容を紹介する |
オンラインショップ | ベストなタイミングで配信し、継続購入に向けた導線づくりとして活用しましょう。 ・購入直後に商品の使い方を配信する |
不動産・住宅情報サービス | ステップ配信を活用してユーザーが見やすいタイミングを分析し、効率のよい配信を実現しましょう。 ・ユーザーの配信タイミングを2パターンにわける |
メール配信とLINE公式アカウントは併用が効果的
LINE公式アカウントをメール配信サービスのように活用すれば、メール配信は必要ないかというと、そうではありません。
メール配信とLINE公式アカウントにはそれぞれ異なる特徴があり、一方に絞ると機会の損失につながる恐れがあります。
また先述したように、友だちを獲得しやすいもののブロック率も高い傾向です。
一方で、メール配信はある程度の文章量を送っても圧迫感が少なく、ユーザーに有益で濃い内容を届けやすい特徴があります。
登録ユーザーについても、企業やサービスに対する関心をある程度持っていることが一般的です。
そのため、自社に運用リソースがあれば併用し、異なる特徴を上手に活用することが効果的です。
将来的に、LINE公式アカウントの友だちが自社への興味・関心を強め、メール配信にも登録してくれるような流れを目指しましょう。
LINEのステップ配信とステップメールを併用して売上を上げよう
LINEのステップ配信とステップメールには異なる特徴があるため、併用することがおすすめです。
それぞれの利点を生かし、運用効果アップにつなげましょう。
導入しやすい金額設定なのに機能が充実していることが特徴で、もちろんステップメールも配信できます。
まずは無料で、操作性・機能性の高さを実感してみてはいかがでしょうか。