今回の記事では、Webマーケティングで結果を出すためのPDCAの回し方をお伝えします。
ビジネスにおいてPDCAの重要性を疑問視する人はほとんどいません。
しかしながら、「PDCAはなぜ重要なのか?」、そして、「実際のビジネスの業務の中で、PDCAを回すとは具体的にどういうことなのか?」と聞かれた時、意外にも言葉に詰まるのではないでしょうか?
マーケットや消費者ニーズが物凄いスピードで変化し続けるビジネス環境の中、限られた予算でビジネスを展開する企業にとって、PDCAにより「変化し続けること」「初期仮説に囚われずに行動の質を高めていくこと」は、生き残る術と言えるでしょう。
特に、Webマーケティングにおいては、顧客の反応をデータとして収集・蓄積できるため、PDCAを回しやすい状況にあり、ライバル企業に出し抜かれないようにする上でも、より一層PDCAを回すことが重要になってきます。
そうした中、Webマーケティングにおいて、PDCAを回しながら結果を出す上では、
- 最速で暫定的なプランを立てる
- 行動を積み重ね、データを集める
- 徹底的にユーザーの目線に立って、要因を分析する
- ユーザーが満足するアクションを取る
以上の4点を意識することが重要です。
それは、具体的にどのようなことか、本記事で解説していきます。
PDCAは古い?ビジネスにおいてPDCAが重要視される理由
PDCAを回すことの重要性は、1950年代より提唱されており、現在でもビジネスの定石としてあらゆる企業の経営で、重要視されています。
それでは、PDCAを回すことはなぜ重要なのでしょうか?
PDCAとは?
繰り返しになりますが、PDCAとは、Plan(計画)・Do(行動)・Check(要因分析)・Action(改善)の頭文字です。
PDCAを回すとは、Plan・Do・Check・Actionの順に物事を進めていき、そのサイクルを回すことを意味します。
Checkは、行動をした結果を振り返り、「なぜうまくいったのか?」「なぜうまくいかなかったのか?」という要因を分析し、何を変えていかないといけないかを決めていくこと。
Actionは、要因分析や、改善するべき点を踏まえて、再度行動をとっていくこと。
PDCAの本質
PDCAを回すとはどのようなことか、お伝えしましたが、正直のところ、PDCAを順番通りに回すこと自体は、そこまで重要ではありません。
ビジネス書などで、よく「考える前に行動しろ」であったり、「戦略的思考の重要性」が謳われていますが、何も考えずに闇雲に行動したり、行動する前に必要以上の時間をかけて戦略を練ることは、PDCAとは異なる考え方です。
PDCAは、「行動をしながら考える・考えながら行動する」、行動と思考のバランスをとりながら、変化していくことの重要性を訴えていると、少し踏み込んで解釈することもできます。
ビジネスにおいてPDCAが重要視される理由
世界が目まぐるしく変化する中、ビジネスにおいては、顧客のニーズや、競合企業や最先端技術の台頭、景気や経済状況など、わからないことや不確実なことを多く抱える中で、物事を前に進めなければなりません。
したがって、時間をかけて戦略や計画をたててもあまり意味はなく、ある程度の暫定的な方針を立てた上で、迅速に行動をし、行動しながら改善していくことが重要になります。
一方で、企業の予算や人員は限られているため、闇雲に無謀な施策を続けていては、予算が水の泡になってしまいます。
以上の理由からも、ビジネスの世界では、PDCAのプロセスを踏むことによって、行動の質・行動量を同時に高め、増やしていくことが求められるのです。
Webマーケティングで、結果を出すPDCAの回し方とは?
- 「Webサイトをリリースし、広告を出したが、アクセス数が増えず困っている」
- 「SNSやブログ配信で、認知度を高めて、集客したい」
- 「メルマガ配信で、顧客との関係性を築き、自社サービスの登録に繋げたい」
このような望みや悩みをお持ちではないでしょうか?
Webマーケティングにおいて結果を出すためには、どのようにPDCAを回すのが良いのかについてお伝えしていきます。
WebマーケティングにおけるPlan・Do・Check・Action
Planでは、まず、自社や自身のサービス・商品の付加価値を言語化した上で、ターゲットとなる顧客像を整理します。
そして、そうした顧客と、SNSやブログ、メルマガなど、どのような媒体で接点を持つことができるかを検討し、集客のための施策を検討します。
その上で、アクセス率やサービス登録数など、施策における暫定的なKPI(目標)を設定していきます。
Doでは、ネット記事や、SNS・メルマガ、広告配信など、ターゲットに認知してもらうための具体的な行動をとっていきます。
Checkでは、施策に対して、ユーザーからどのような反応があり、その要因は何かを分析します。
例えば、メルマガ配信を例にとれば、メルマガの開封率やメルマガからのサービス登録率などを把握し、もし目標未達であれば、メルマガコンテンツのどういう点が問題だったのかについて仮説を立てます。
Actionでは、要因分析や仮説を踏まえ、改善を加えた上で、再度アクションをとっていきます。
最速で暫定的なプランを立てる
Webマーケティングにおける最初のフェーズでは、考えすぎずに多くのアクションをとって、ユーザーからのレスポンス(反応)のデータを収集することが重要です。
なぜなら、情報が限られている段階で入念に計画や仮説を立てるよりも、実際に行動をとった後にユーザーからのレスポンスを踏まえて仮説を立てる方が精緻ですし、それをもとに軌道修正をしていく方が効率的であるからです。
また、そもそもブログやWeb広告配信などのWeb施策は、1度のアクションに対してそこまでコストがかからないため、事前に戦略や計画を立てる重要性が低いことも挙げられます。
したがって、Planの段階では、時間をかけすぎないことが重要です。
もちろん、その後のCheckのフェーズにおいて、ユーザーの反応を評価し、改善するべき点があるかどうかを判断する上では、当初の目標値やターゲットについての仮説が判断基準になってくるので、最低限のプランは必要ですが、一定時間内で目指せる範囲での精度で良いでしょう。
闇雲に行動を積み重ね、データを集める
ネット記事やメルマガ配信など、ターゲットに対して様々なアクションをとっていく中で、例えば、Webサイトのアクセス数や、メルマガの開封率、SNSの閲覧数、いいね数、登録数など、様々なデータを収集していきます。
Googleアナリティクスや広告管理ツールなど、ユーザーのデータをダッシュボード上で簡単に把握できるツールを用いながら、顧客属性別のアクセス割合など、複数の切り口でデータを収集し、
例えば下記のような事実を明らかにしていきます。
「ユーザーはどのような経路でサイトにアクセスすることが多いか」
「どのようなコンテンツであると、ユーザーからの反応がいいか」
徹底的にユーザーの目線に立って、要因を分析する
次に、収集したデータを分析する中で、施策の改善点を検討していきます。
その上では、定量的な事実だけでなく、ターゲット顧客について、ペルソナやカスタマージャーニーを整理し、よりリアルに近いユーザー視点を持って分析していくことが重要です。
このような手法を通じて、自社・自身の視点ではなく、精緻なユーザー視点をもとに、ユーザーは自社・自身の発信に対してどのように思っているか、満足しているのかを想像し、何を改善するべきか、何が問題なのかを検討していきます。
ユーザーが120%満足するアクションを取る
ユーザーからの反応をもとに改善策を打ち出した上で、ユーザーが120%満足するようなアクションを取っていきます。
いきなり120%を目指す必要はなく、何度かPDCAサイクルを回す中で、少しずつ顧客満足度を上げていけるように意識しましょう。
PDCAのあり方自体も改善し続けよう
今回の記事では、PDCAの本質やビジネスにおいてPDCAが重要である理由をお伝えした後に、Webマーケティングにおいて結果を出すために、どのようにPDCAを回していくのが望ましいかについて解説していきました。
今回ご紹介した、PDCAの回し方は、あくまで一例です。
PDCAを回していく中で、
「ある程度データが溜まってきたので、闇雲にアクションをとり続けるよりも、改善するべき点を精緻に分析する時間をしっかり取るべきではないか」
「毎回、PDCAのそれぞれのフェーズで行ったこと・考えたことをエクセル上で入力し、丁寧にこなしてきたが、ある程度慣れてきたので、頭の中でPDCAを回す形に移行し、それ以外のことに労力を割くのがいいのではないか」
このように、PDCAのあり方自体も、改善し続ける意識を持つことが重要です。