SMSは電話番号を宛先としてメッセージを送信します。
そのため、着信拒否されたらSMSも送信できなくなる可能性は高いでしょう。
機種やキャリアによって拒否設定が異なるため、着信拒否とSMSの受信拒否を別で管理できるものもあります。
着信拒否以外の可能性も考慮したうえで、対策を講じるとよいでしょう。
ユーザー自身が拒否設定に気付いていないケースもあるため、SMSを送信する前段階でユーザーに拒否設定の確認を促したり、ほかの連絡手段を準備したりすることが重要です。
また、企業にとってSMSの活用はメリットが多いものの、メルマガの代わりにはなりません。
SMSをマーケティング活用する場合は、訴求力の高いメルマガとの併用が有効です。
メルマガは、着信拒否によりSMSが送信できない場合の連絡先としても活用できるため、双方のメリットを活かして効果的な運用を行いましょう。
着信拒否されたらSMSも届かない?
SMSは電話番号宛にメッセージを送信するツールです。
そのため、相手に着信拒否されたら電話の着信だけではなくSMSも届かなくなる場合があります。
着信拒否した番号からのSMSを受信できるかどうかは、ユーザーが利用している機種やキャリアにより異なります。
iPhone端末やAndroid端末、キャリア側で着信拒否した場合のSMS受信設定は下記の通りです。
iPhone端末
iPhone端末では、電話の着信拒否を設定すると、SMSも連動して受信拒否に設定されます。
Android端末
Android端末の場合は、機種によって設定が異なります。
着信拒否とSMSの受信拒否をそれぞれ管理できる機種もあります。
キャリア側
着信とSMSの受信を別々に拒否できるかどうかは、契約しているキャリアやサービスによって異なります。
すべてのSMSを受信しなくなる設定や、指定番号のSMSのみ受信する設定、接続方法によって拒否する設定など、端末で行うよりも細かい条件設定が可能です。
SMS受信拒否した場合の端末表示は?
SMSを受信拒否した場合、基本的にユーザー端末には通知が表示されません。
拒否方法ごとに説明します。
iPhone端末で受信拒否すると、SMSを拒否した履歴は残らず通知も表示されません。
同様にAndroid端末でも通知は表示されないものの、拒否したSMSの確認は可能です。
拒否したSMSは、メニューの「スパム/ブロック中」フォルダを開くと表示されます。
キャリアや契約しているサービスを利用してSMSを受信拒否した場合は、携帯端末に届く前にキャリア側でSMSがブロックされるため、通知が届かないことがほとんどです。
一部、受信通知が表示されたり通知バッジが表示されたりするサービスも存在します。
SMSを受信拒否すると、「送られたSMSを拒否した」ことを知らせる通知も表示されません。
受信を確認できる拒否方法もありますが、通知がない状況で頻繁に拒否したSMSを確認するユーザーは少ないでしょう。
そのため、SMSを拒否したこと自体に気付かない可能性が高いと考えられます。
SMSが送れない!受信拒否以外の原因を知ろう
SMSは、ユーザーの個人認証や重要な連絡をする手段として、多くの企業に活用されています。
SMSが送信できない場合、「ユーザーに着信拒否(受信拒否)されてしまったのでは」と不安を感じる担当者の方もいるでしょう。
しかし、SMSが送れない原因は、着信拒否だけではありません。
送信可能な文字数を超えている
SMSは送信可能な文字数が決まっているため、文字数の制限を超えると正常に送信できない場合があります。
以前、SMSで送信できる文字数は、全角70文字まででした。
現在多くの機種で最大670文字まで送信可能になりましたが、70文字までの制限がある機種やキャリアも一部存在します。
SMSを送信する際は、70文字以内に収まるよう簡潔にまとめたり、長文送信機能があるSMS送信サービスを活用したりするとよいでしょう。
送信可能なSMSの通数を超えている
1日に送れるSMSの通数を超過したことが原因で、SMSを送信できない可能性もあります。
SMSには、送信可能な通数に上限が設けられています。
キャリア側が迷惑SMS対策の一環として設定しているもので、1日に送信できる通数は200通程度です。
SMS送信サービスには送信数に上限がないものもあるため、必要に応じて導入を検討するとよいでしょう。
電話番号が間違っている
SMSは電話番号宛にメッセージを送るため、登録された電話番号が間違っていると正しく送信できません。
直近で電話番号を変更したユーザーが、間違えて以前の番号を入力してしまうようなケースも考えられます。
企業側で電話番号を登録する場合は、人為的ミスによる間違いが起こらないよう、チェック体制をしっかり整えることが必要です。
ユーザーが格安SIMを利用している
ユーザーがSMS非対応の格安SIMを利用している場合、SMSは送信できません。
SIMカードとは、利用者情報や電話番号を記録したICカードのことです。
端末にSIMカードを差し込むことで、通信や通話を利用できます。
SIMカードは、データ通信が利用できる「データSIM」と、通話やデータ通信などのすべての機能を利用できる「音声通話SIM」の2種類に分かれます。
SMSは電話回線でメッセージを送信するため、データSIMではSMSを送受信できません。
ユーザーがデータSIMを利用している場合は、SMS機能をオプション追加してもらうか、連絡手段を変える必要があるでしょう。
キャリア側のブロック機能により拒否された
キャリア側が独自で行っている迷惑SMS拒否機能によって、SMSがブロックされた可能性も考えられます。
SMSはユーザーに届く前に、迷惑SMSかどうかをキャリア側のフィルターによってチェックされています。
なかでも海外回線を使ったSMSは送信元を特定しづらいことから、キャリア側のブロックに引っかかりやすく、国内回線に比べて到達率が下がります。
また、国内大手キャリアであるNTTドコモとソフトバンクは、危険なSMSを拒否する機能を強化し、2022年春頃に提供開始すると発表しました。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1380325.html
今後、その他キャリアにおいても、SMS悪用への対策強化が進むと考えられます。
送信する企業側としても、キャリア側でブロックされないようなSMSづくりがより一層必要となるでしょう。
ユーザーが拒否設定に気付いていない
過去に行った拒否設定をユーザーが変更し忘れたために、意図せずSMSを拒否している可能性もあります。
特にキャリア側で設定する方法は、細かい条件設定が可能です。
連絡先が登録済みの宛先以外を拒否する設定や、ほかのキャリアからのSMSを拒否する設定、指定した番号のみを受信する設定など、さまざまな拒否設定を選択できます。
過去に拒否設定した条件に企業からのSMSが該当した場合、ユーザーが登録や拒否設定を変更しない限り、SMSを送信できません。
新しくSMS送信の登録をする際は、過去に拒否設定を利用している可能性を考慮し、ユーザーに確認を促すとよいでしょう。
電波状況が悪い
受信者の電波状況が原因で、一時的にSMSを送信できなくなることがあります。
ユーザー端末の不具合で電波を受信していないケースや、基地局に障害が起こっている可能性も考えられます。
電波状況が原因で送信できない場合は、企業側から対処することは難しいため、端末の問題や電波障害の解消を待つしかないでしょう。
SMSはメルマガとの併用が効果的
SMSは、メルマガに比べて到着率が高く見てもらいやすいため、ユーザーに情報を届けやすい特徴があります。
そのため、企業がSMSを活用するメリットは多いでしょう。
しかし、SMSをメルマガの代わりに活用する方法は、おすすめできません。
SMSはもともと短文のコミュニケーションを目的としたツールです。
チャット形式で表示されるため、メッセージが長文だと読みづらく、送信はテキストに限定されます。
また、最大670文字の制限があることから、ユーザーの興味を引き付ける十分な情報提供も難しいでしょう。
そのため、潜在顧客の認知拡大や育成を目的にSMSを活用しても、メルマガと同様の効果は期待できません。
それどころか、興味の持てないSMSによってユーザーにマイナスの印象を与え、着信拒否の危険性も高まります。
マーケティングにSMSを活用する場合は、SMSとメルマガの併用が有効です。
SMSは重要事項の通知やユーザーサポートなどの目的に絞り、ピンポイントに活用してください。
顧客の認知拡大や育成は、長文や視覚的な訴求が得意なメルマガに任せましょう。
また着信拒否設定に限らず、さまざまな原因でSMSが送れなくなった場合にも、メルマガという別の連絡手段があればユーザーとの繋がりを維持できます。
SMSとメルマガを併用し、双方のメリットを活かして使い分けることで、より高い効果を目指せるでしょう。